気持ちの変化を見逃さない
お子さんと大事な話をするとき、たとえば勉強・成績のこと、学校のこと、友だちのこと、将来のことを話すときは真剣に向き合いましょう。手が離せないときは、あとでしっかり時間を作ってください。なるべく早くです。子どもが助けを求めてきているときに、きちんと向き合わなければ、親を信用しなくなります。
普段から信頼関係を保っていると思っている親子であっても、大事な話のコミュニケーションでは、お互いに信頼感・安心感を感じられるようにしなければなりません。つまり、普段よりもう一段高い信頼感を得るようしましょう。
人は相手に対して信頼感や安心感を持っていると、表情やしぐさ、言葉にそれが現れます。相手と同じような口調になったり、同じようなしぐさをするようになります。
反対に信頼感・安心感を失っている状態ではどうでしょう?腕や足を組んでいるのは、防御の姿勢と言われます。相手に自分の本音を悟られたくない、あるいは相手を少し懐疑的に感じているでしょう。視線を合わせないのは、自分に自信がなかったり、その場を逃れたいと思ったりしている可能性があります。
表情についても、嘘笑いを浮かべている、唇が震えている、顔・耳が赤くなっているなど、大きな変化から小さな変化まで、さまざまな様子がうかがえるはずです。
顔の表情やしぐさの多くは、無意識から出てくるので、その人の本当の気持ちを表していると言えます。それに対して言葉は、意識が発するものです。嘘が含まれることがあります。言葉を鵜呑みにしないで、お子さんの表情やしぐさ、口調などの小さな変化に気づいてください。
とは言っても、いきなりうまくできないかもしれません。慣れないうちは、ほとんどの変化を見逃してしまうと思います。そこで、日ごろからお子さんを観察して、うれしいとき、悲しいとき、怒っているときに、どんな表情・しぐさをするのか、あらためて確認してみましょう。おおざっぱに見るのではなく、目や唇の動き、指先やつま先までしっかり観察します。大変ですが、やっているうちにだんだんできるようになっていきますから、トレーニングを続けてください。
相手の気持ちの変化に気づけるようになったら、信頼感・安心感をアップする準備が整います。