望ましい新習慣を作り出す

今回は習慣的になっている行動を変え、新しいルーティーンを作り出すためのものです。
あかりさんは朝起きるのが苦手です。夜ふかしをしているわけではないのですが、毎日お母さんに起こされ、遅刻ぎりぎりで学校に着きます。あかりさん自身も、早く一人で起きられるようになりたいと思っていました。
ここでは「ニュー・ビヘイビア・ジェネレーター(New Behavior Generator、新しい行動を生み出すもの)」を試します。物覚えが早い人たちが新しい行動を生活に取り入れているやり方を研究することによって考え出されたテクニックです。
最初に、あかりさんは自分が朝、ベッドの上でなかなか起きれない様子を、第三者的な視点で想像します。テレビドラマに出演している自分を見ている感じです。目覚まし時計が鳴ってもすぐに止めてしまい、お母さんに布団をはがされて、しぶしぶ起き上がります。それでもすぐには立ち上がれず、しばらくベッドに座ったままうつらうつらしています。ふと時計を見ると、こんな時間。朝食もろくに食べられないまま家を出ます。
次に、あかりさんは「こうなりたい」という自分をイメージします。早く起きて、ご飯もきちんと食べ、髪をきれいにとかして、余裕を持って家を出る姿です。しかし、そんな行動を今までやった記憶がないので、イメージができません。
そこで、早起きのお母さんになったつもりでイメージを作ります。姿かたちはあかりさんでも、行動はお母さんです。お母さんに「どうしたら早起きできるの?」と聞いてみました。するとお母さんは、「目覚まし時計が鳴ると、『朝だよ。今日もすっきりスタートしよう!』と聞こえるような気がする」と教えてくれました。
再びテレビの中の自分を見るように、お母さんみたいに朝起きるあかりさん自身をイメージしました。『朝だよ。今日もすっきりスタートしよう!』と聞こえたように思えました。
今度はテレビの中の自分ではなく、実際に自分自身が演じているかのように、自分の目、耳、肌で感じているのをイメージします。目覚ましのブザーが鳴り、『朝だよ。今日もすっきりスタートしよう!』と聞こえました。そのとき、顔を洗い、服を着がえ、朝食を食べ、歯を磨き、笑顔で「いってきます」と言っている自分を想像できました。これはすてきだと思ったので、あかりさんは『朝だよ』という声に加えて、自分がきびきびと朝のルーティーンをしている姿を思い浮かべることにしました。そして、このイメージを何回かくり返しました。
次の朝、さっそく試してみたところ、思っていたよりもうまくいき、その日一日、いい気分で過ごすことができたそうです。
やめたい習慣がついてしまったお子さんが、新しい行動を起こせるように、お母さんコーチはサポートしてみてください。
寝坊の習慣だけではなく、学校から帰ったらすぐにゲームを始めてしまい、宿題もろくにやらないというケースにも使えます。どんな自分でありたいかをイメージさせることがポイントです。そのとき、過去にうまくいった例から、リソースを引き出せればさらに効果的です。
リソースが見つからないときは、今回のあかりさんのように、うまくやっている人を真似します(モデリング)。多くのことはまったく新しい発見ではなく、誰かを真似することから始まっています。

