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得意なことからヒントを得る

今回もステートとリソースを活用して問題解決を図るテクニックをご紹介します。リソースとは、問題解決や目標達成に役立つもののことで、自身の成功経験や周囲の支援、物理的なツールなど、さまざまなものがあります。

今回は、アメリカの文化人類学者、社会科学者であるグレゴリー・ベイトソンの研究からヒントを得た、問題解決のストラテジー(戦略)です。
はじめに概括すれば、直面する困難を解決するとき、得意とする他のリソースを比ゆ的に活用する方法です。勉強に集中できないと悩んでいる中学生の例を見てみましょう。


ともき君はサッカーが大好きで、小学生のときから近くの少年サッカークラブに入っていて、中学入学とともに学校のサッカー部に入部しました。ともき君のサッカー部は地域では強豪チームの1つで、先輩たちは高校、大学のサッカー部で活躍しています。
毎日の練習はハードです。平日はいつも19時まで、土日も午前中から練習があります。サッカーに明け暮れる毎日なので、お父さんとお母さんは勉強が心配で、学習塾に通わせることにしました。

学習塾に入ると勉強をするようになると期待していたお母さんたちでしたが、塾での授業は毎回受けてくるにしても、家での勉強は以前とあまり変わらないことに気づきました。それをともき君にたずねると、「勉強に集中できない」といいます。そこで、問題解決のストラテジーを使ってみることにしました。

問題解決のストラテジーは空間(場所)を利用します。まず、「問題の場所」、「リソースの場所」、「第三者の場所」の3つを決めます。3つの場所は、実際に異なる居場所を用意します。たとえば、「問題の場所」は居間のソファー、「リソースの場所」はダイニングのテーブル、「第三者の場所」はその中間地点、という感じです。

最初に「問題の場所」にともき君を座らせます。勉強に集中ができないときの場面を思い出します。「最近、集中できなかったのはいつ?」と聞くと、「昨日」だと言います。そのときはどの教科を勉強していて、どんなことをやろうとしていたのか。集中できなかったとき、どんなことが頭にあったのか。そしてどんな気持ちになったのかを思い出し、できるだけ忠実に再体験します。

そのときと同じ気分になったところで、「第三者の場所」に移動します。ここでは、自分がもっとも得意とすること、情熱を持って取り組んだこと、今でも自信を持っていることを特定します。ともき君の場合はサッカーです。

次に「リソースの場所」に移動します。この場所から「問題の場所」を見つめます。同じ状況がサッカーで起きたらどうなるだろうと考えます。
大好きなサッカーなので、集中できなかったことは多くありませんが、試合中に一瞬集中が切れて失点したことを思い出しました。「そのとき、どうしたんだっけ?」ともき君は声を出して自分と仲間の集中力を高めようとしたのでした。

もう一度「問題の場所」に戻ります。サッカーでやっていた声出しが使えるかもしれないと思いました。そして、今日やろうと思っていることを声に出して言ってみる、教科書は音読する、覚えるべき英単語・連語、数学の公式は暗唱するのがよさそうだと感じました。


同じ場所に座って、問題の状況とリソースを切り替えて考えるよりも、実際に座る場所を変えて考えたほうが切り換えやすくなります。また、今いる場所から他の場所にいた自分をイメージし、客観的にながめることができるので、自分でも気がつかなかったことに気づくこともあります。

ちなみに、ともき君の行った声出しですが、とくに暗記をしようとするときなど、声を出しながら覚えたほうが記憶に残りやすいです。それは、自分の声を聞いてもいるので、視覚と聴覚の両方を使うからです。

札幌あおば学院
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