将来が見えなくて不安
過去・現在・未来の時間の流れを、一連の時間軸(時間を表す線)として表現すると、その表し方は人によって違います。自分自身が時間軸に含まれているように感じるインタイム(in time)の人は、たとえば未来は自分の前方に続いていて、過去は自分の後方にあります。一方、時間軸が自分自身とは離れて置かれていて、全体を見渡せるように感じるのは、スルータイム(through time)といいます。
前回、スルータイムで時間を捉えたほうが、計画が立てやすく、時間管理がうまくいくというお話をしました。また、インタイムの人は今に集中することが得意です。このように、それぞれの時間軸を生かせる状況があります。うまくいかないときは、時間軸を変えてみるとよいでしょう。
計画作りと通じるところがありますが、自分の将来がどうもよく見えない、分からないという人は、インタイムで見ている可能性があります。未来は自分の前から先に続いています。近くにある近未来はよく見えるのですが、遠くにある未来のことはよく見えなくなっているのです。先にやるべきこと、あとでも構わないものの区別もつきづらくなります。
イメージの中で、自分の前後に縦に延びている時間軸を、自分の前に持ってきて、過去を左、未来を右にして、全体を見渡せるように横に置いてみます。これまで、近未来の先にぼんやり隠れていた未来が、はっきり見えるように感じられます。優先順位も判断しやすくなるはずです。
以前にあった出来事が今も気になって、新しいことに目が向かないという人は、過去への時間軸が自分の前方に延びているのかもしれません。未来は自分のうしろにあります。つまり、常に過去を見ているということ。いろいろな過去の出来事が、写真のように何枚も連なっているように感じるときは、その写真の大きさを小さくして、色もモノクロに変えます。さらに、時間軸を過去と未来を反転してみましょう。前方に未来、自分のうしろに過去を置きます。過去はわざわざ振り返らない限り見えません。
人がうまく物事を進められたり、反対にうまくいかずに悩んでいるとき、それらの原因は自分自身にある場合が多いのです。それはやる気を活性化する意識転換だったり、その状況には役に立たない思い込みのせいだったりします。そこに気づくことができれば、自分の思い通りに人生を生きることができるでしょう。