乳幼児の人生決断
子どもの頃に聞いたおとぎ話で、あなたが一番好きなもの、あるいは一番強い印象を持っているものは何ですか?
そのおとぎ話は、あなたの”人生の脚本・台本”のベースになっている可能性があります。
人は誰でも人生の脚本・台本のような、生き方の筋書きを持っているといわれています。人生計画ともいえるその脚本は、だいたい小学校に入学するまでにはおよその形ができあがっています。その後、さまざまな人たちとの出会い、出来事を経験しながら、それをより強固な、ゆるぎないものにしていきます。そして死ぬまで持ち続けます。
お子さんの性格、たとえば頑固だったり、泣き虫だったり、外面がよかったり、優柔不断だったりするのは、その子の人生の脚本によるところが大きいのです。
「そんな幼児のときに、人生など決められるわけはない」と思う人も多いと思います。しかし、生まれてから間もない無力な小さな子にとって、まだ何も知らない世の中をどのように生きていけばいいのかを知らないのは、ものすごい恐怖だとは思いませんか?したがって子どもは、生きていくためには、目の前にいる親あるいはその類の人たちに気に入られなければならない、生き残るためには彼らのいうことは何でも従うと決断します。ここから人生脚本の作成が始まります。
子どもにおとぎ話を話して聞かせる以外にも、親はしつけとしていろいろな”メッセージ”を子どもに伝えます。それは言葉だけではなく、態度や表情などでも伝わります。してはいけないこと、許されること、こうすべき・すべきではないこと、など無数のメッセージが与えられます。それらのメッセージは親の信念・価値観から発せられています。
これらのメッセージを子どもが受け取ったとき、どのように考え、感じたかが脚本に反映されます。親の真の意図ではありません。メッセージを受け取った側がどう判断するかです。乳幼児は多くの場合、感情によって判断します。つまり、乳幼児の感情が脚本を形成するのです。
ということは、子どもの人生は親によって決められているといえます。
決断は幼児期になされるので、成人したときには適合できないようなものもあります。しかし、おいそれとは捨てられないのです。今まで大事にしていたものを簡単には捨てられませんよね。またどこかで役に立つと思います。そうやって、いくつかの生きづらさを感じながら、多くの人は人生を送っているのです。