対話の三角関係
いつも陥ってしまう、後味の悪い対話のやり取り。注意しているつもりでも、気がついたらそのパターンに入ってしまっている、ということが多いのではないでしょうか。
このような対話は2人で交わされる場合もありますし、3人以上のときもあります。いずれのケースでも、それに参加している人は、それぞれに役割があるといわれてます。
3人の対話の例を見てみましょう。
母1:明日、算数のテストあるんでしょ?勉強したの?
子1:もう少ししたらやる。
母2:もう少しって、いつよ!早く勉強しなさいよ!
子2:これ(ゲーム)終わったらやるよ。
母3:いい加減にしなさい!今日のおやつ、なしだからね!
子3:そんな~。わかった、やるよ。
父1:なに騒いでいるんだ。
母4:○○が勉強しなくって。
父2:そんなことぐらいで、大声出すな!
母5:私だって、怒鳴りたくないわよ…
子4:ごめんなさい。ケンカしないで。勉強するから。
多くの物語には登場人物の役割がありますが、大きく3つに分類されます。「迫害者」「犠牲者」「救助者」です。ついやってしまう、後味の悪い対話にも、この3つの役割があるといわれています。役割は最初から最後まで同じというわけではなく、状況に応じて役割が変わっていきます。
上記の会話では、母3は迫害者で、子3は犠牲者です。父1は救助者で、このとき母4は犠牲者に変わります。ところが、父2は迫害者となり、母5はその犠牲者、子4は救助者に変わってます。
この3つの役割はすべて、なにかを軽視するか、無視をしています。迫害者は相手を見下し、相手の価値を低くみなします。救助者も相手の問題解決能力を低く見て、上の立場から援助を差し伸べます。犠牲者は自分自身の価値を低く見ます。
会話や対話をポジティブに保ちながら、好ましい結末を望むのであれば、この役割から抜け出す必要があります。そのためには、相手や自分の能力や尊厳を軽視したり、無視してはいけません。自分も相手も十分に能力があり、困難を乗り越えられると考えるようにしましょう。