困難解決を阻むもの

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困難解決を阻むもの

問題行動をしたり、困難な状況を解決できないでいるときは、自分、相手、周りの状況について、実際に存在する事実に気づいてなかったり、無視していることがほとんどです。たとえば、以下のような親子の会話を見てみましょう。

「あー、勉強わかんないよ」
「じゃあ、先生にきいてみれば」
「いいよ、そんなの」
「勝手にしなさい!」

勉強がわからないといっていますが、なにががわからないのかがはっきりしません。この場合、「なにが?」と聞いても、あまり具体的に説明できないことが多いものです。つまり”わからない”という状況の存在をきちんと把握していません。また、それがわからないことで、この先どのような困難が待ち受けているかという、その重要性に気づいていません。
お母さんはわが子がなにに悩んでいるのかをたずねることなしに、手助けを放棄しています。「もともと私には数学なんてわからないから」といいますが、わからない子に理解できるように書いてある教科書を確認する方法もあるはずです。お母さんは自分の能力を無視しています。
さらに子どもは、お母さんからの”解決策の提案”を拒否してます。自分で解決する以外の代替案ですが、それを受け入れず、問題解決の可能性を捨ててしまいました。自分で先生に質問するという能力の存在も無視しています。
最後にお母さんがあきらめの捨て台詞をいってしまいました。先生に質問する以外の代替案もあるはずですが、もはやそれを考える能力も意識も放棄しています。

 

このような心理的な行動はいろいろな場面で出現します。

以前にご紹介した、誰かと同じようなやり取りをして、最後に嫌な感じを味わうという”お決まりのパターン”においても、やり取りのどこかに自分あるいは相手の能力や状況の情報に気づいていないか、無視をしているのです。逆にいえば、それらに気づいていないか、無視をしているから、やり取りがうまくいかないのです。

また、両親から受け取って、ずっと大事に抱えている肯定的なメッセージ(しつけ)を実行しているときも、そのような無自覚、無視があります。たとえば、「なんでも急いでしなさい」というしつけを守っている人は、とくに急ぐ必要がない用件でもあせってやろうとします。早く済ませてしまえば安心を得られるのでしょう。しかし、あせることで、その最中に得られるかもしれない新たな発見の機会を失っているかもしれません。

あるいは、簡単なことを聞かれているにもかかわらず、細かいことを延々と話し続ける人がいます。反対に、ぶっきらぼうといえるような、極端にシンプルな発言をする人もいます。「いま、大変なんだよ」なにがどのくらい大変なのか、どのくらいそれが重要なのかは聞き手はわかりません。面倒くさくてそういっているのではなく、詳細を説明できないのです。

自分をおとしめて笑いを取ろうとする人もいます。「この間、仕事で大失敗してさ。上司にガッツリ怒られたよ。ハハハ」は、自分は無能なのだという”信条”を相手に確認しようとしているのです。なぜなら、それがその人の生き方だと自分で決めていて、無能として振舞うことで得られる利益があるからです。

 

好きでそうしているといってはそれまでですが、大事な人であればなおさら、困っていたり悩んでいるのなら助けてあげたいですよね。言葉や、あるいは動作・表情といった非言語的な”鍵”を見つけてください。そして、相手ペースに乗らずに、ちょっと引いて考えてみましょう。うまい質問が有効です。

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