問題行動の裏

お問い合わせ
電話番号

問題行動の裏

人は常にいろいろな問題に直面しています。期末テストが近づいて来て、良い点数を取らないと成績が落ちそう。今日の仕事は忙しかったけれど、家に帰って家事をして、子どもの勉強をみないといけない。何でも値上がりして、今までと同じ生活をしていると苦しくなる。
問題にはいくつかの解決案があります。状況を適切に判断し、知識と思考を最大限に活用することもできますし、自分の人生の脚本に従うこともできます。人生の脚本は自分が幼少期に決断した”自分の生き方”です。生きるために決断したことなので、成長した後も簡単に捨てることができず、それに従って生活しています。自分に問題が降りかかると、人生の脚本にピッタリ合うように周りの状況を受け止め、脚本にとって都合の悪い事実は無視します。したがって、合理的な解決策を取ることができず、脚本が与えてくれる、幼少期に感情で判断した”魔法の解決”を求めてしまうのです。自分では自ら行動しているつもりでも、”魔法”が解決してくれるという受動的な心理が働いています。

 

そのような状況に陥ると、問題解決をもたらす有益な情報に気づかない、あるいは無視するようになります。
春に学校が示した年間予定表を見ると2月に学年末テストがあることも、テストの範囲は前回のテスト範囲の次からだということもわかります。また、自分は勉強に時間がかかることも経験上知っています。しかし、それらに気づかないか、無意識に無視するのです。そして、”魔法”が奇跡を起こしてくれるのを期待するのです。一方、お母さんはテストがあることも、勉強に時間がかかることも知っているので、子どもに勉強するように言うのですが、それ以上のことはしません。自分にできることは声かけだけで、あとは自分の責任ではないと考えます。これらの行動は状況や能力を”誇張”しているといえます。子どもは少しでも勉強すれば良い点数を取れると自分の能力を誇張していますし、お母さんは子ども責任について誇張してます。

 

このように自分や相手の能力を低く扱ったり、客観的事実に気づかずに無視したりするときは、典型的な行動として現れるので気づくことができます。

ひとつは「なにもしない」という行動。クラスで一人ずつ順番に発表することになっているとします。A君の番がきましたが、A君は何も言わず、座ったまま黙って一点を見つめています。先生が促しても無反応。わからないのならわからないといえるのですが、それをせずに、全エネルギーを黙っていることに注いでいます。A君は答えるという自分の能力を無視しています。

仕事で疲れ切って帰ってきたとき、高校生や中学生の子どもたちはテレビを見たり、ゲームをしていて、台所の洗い物は山積み、部屋の中は散らかしっぱなし。お母さんはまっすぐに台所に行き、食器を洗い、そのあと部屋の片付けをします。お母さん自身が洗い物や片づけをしたいと望んだか、子どもたちがそれを望んだのかは意識の中にはありません。お母さんは”子ども”の心の状態で信じていることを実行しただけなのです。これを「過剰適応」といいます。このお母さんは、代替案を思いつくという自分の能力を無視しています。

授業中や仕事中でも、鉛筆やペンでカタカタ音を立てたり、貧乏ゆすりをしたり、頻繁にため息をついている人を見かけます。授業の内容がわからなかったり、仕事が行き詰っていることを解決するための能力を無視しているのです。これを「いらいら」と呼びます。彼らの心の状態は”子ども”であることが推測されます。もし彼らが”成人”の心の状態で、分からないところを先生に質問したり、解決策を同僚に相談することができれば、問題はすぐに解決するでしょう。しかし、彼らはそれをしません。彼らは自分の脚本に従っているのです。

最後は「無能または暴力」です。普段は一人で服を着替えて、脱いだ服はたたんだり、汚れたものは洗濯機に入れることはできていたのですが、塾に行く時間になると何もできなくなってしまう。自分ができないのだから、お母さんが代わりにやってくれると考えます。あるとき、B君はお母さんから兄弟げんかを怒られました。自分は悪くないと思っています。B君は自分の部屋に戻り、床に落ちているマンガやカバンを投げつけたり、サッカーボールを蹴ったりしてます。そんなことをしたところで、B君の当面の問題は解決しません。やはり自分自身の能力を無視しているのです。

 

人がどのように考えているかは分かりません。しかし、行動によってそれを推測することはできます。上記のような行動を取るようなときは、自分の能力を極小化している可能性があります。自分自身でもそれに気づいていないでしょう。少し落ち着いたところで、「本当はどうしたいの?何がいいたいの?」と聞いてあげましょう。放ったらかしにしておいても、同じ行動は繰り返されるだけです。

お問い合わせ

    お名前 (必須)

    必須項目に記入もれがあります。

    必須項目に記入もれがあります。

    電話番号

    必須項目に記入もれがあります。

    メールアドレス

    必須項目に記入もれがあります。

    ※確認のためもう一度入力してください

    確認用のメールアドレスが一致していません

    学年

    必須項目に記入もれがあります。

    ご要望(任意)

    上記の内容を確認して確認・送信ボタンを押してください。