しつけのつもりでも

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しつけのつもりでも

子育てをしているなかで、こちらの考えや思いが伝わらずに、思う通りに子どもを導けなくなってきたというケースは非常に多いです。自立性は幼児期から始まり、少年期でさらに発達してきますが、親の依存から脱却したいという意志の表れであり、親から距離を置くような態度は、人としての成長として喜ぶべきことではあります。しかし、子どもの心理の他の部分には、前回ご紹介したような、乳幼児期に親から受け取った否定的な”メッセージ”をもとに人生の生き方を決断し作成した、人生の脚本からの否定的な感情・行動を引き起こす要因が存在している場合が少なくありません。さらに厄介なことに、その否定的な感情・行動のパターンは成長に伴って消えることはなく、一生持ち続けることになります。本人や周りの人たちが望む生活をしていくうえで辛さを感じているのであれば、心理的分析をし、その子の人生脚本の書き換えを試みるべきです。

 

さて、上記にもある否定的な”メッセージ”は、親の「子ども」の心の状態から発せられた、感情をベースにしたものです。ですので、理屈が通らないものが多いです。代表的なものとして、「存在するな」「成長するな」「健康であるな」「なにもするな」「考えるな」などがあります。これらのネーミングは受け取った側の印象を表しています。親にそのような意図がなかったとしても、親の感情の一部から発せられた”メッセージ”は、子どもに否定的に受け取られることがあるということです。たとえば、過干渉する親は子どもにああしなさい、こうしなさいと、子ども自身が考える暇を与えません。そうした場合、子どもは「なにもするな」「考えるな」という”メッセージ”を受け取ることになります。その子が成長して大人になっても、大事なことを自分で決められず、困難な状況から逃げようとするようになります。

 

一方、子どもが言葉を理解するようになってから与えられ始める、両親の「親」の心の状態から発せられるメッセージは、彼らの人生や世間に対する価値観によるものが多くなります。つまり、なにをすべきで、なにをすべきでないかの命令となり、しつけの一部として与えられます。
たとえば、「お行儀よくしなさい」「もっと勉強しなさい」「良い成績を取りなさい」「うそをついてはいけません」「友だちと仲良くしなさい」などです。これらは社会生活を快適に暮らしていくために必要と親が考えていた内容です。
また、健康維持や命を守るためのメッセージとして、「食事の前に手を洗いなさい」「道路を渡るときは左右を確認して」などがあり、大いに役立っています。

 

しかし、ポジティブな効果があるものばかりとは限りません。「一生懸命に働か(勉強し)なければならない」というメッセージを受け取った子どもは、学生時代は時間を惜しんで勉強に励み、良い成績を取るかもしれません。卒業して就職してからもがんばって働き、すばらしい昇給・昇格を勝ち取るでしょう。しかし同時に、ストレスによる健康障害が起きたり、家族や友情を犠牲にしたりするかもしれません。
ポジティブなメッセージであっても、それが逆に子どもの重荷になっていないか、辛い生活を送ることになっていないか、今ここにいるその子にとって本当に価値のあるものなのかどうか、必要な時期に考えてみるべきかと思います。

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