気づかない子どもへのネガティブ・メッセージ

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気づかない子どもへのネガティブ・メッセージ

親が子どもに向き合うとき、自分の心の状態がいつも”親”であるとは限りません(心の状態については、ブログ『自分の心の状態がわかりますか』を参照してください)。わたしは母親だから”親”の心の状態で接し、そのとき息子や娘は”子ども”の心の状態にあるというわけではないのです。”親”の心の状態にあるときは、自分の親がそうしていたような感情や行動をしていて、”子ども”の状態にあるときは、自分が子どもであったときの振る舞いを再現しています。
つまり、子育てをしているときであっても、”親”、”成人”、”子ども”と心の状態は変化しています。

 

ところで、幼児が人生の脚本を作るにあたっていくつかの決断をしますが、そのきっかけとなるのが、両親や祖父母などからの言葉や態度といった”メッセージ”です。特に両親からのメッセージは強く影響を与えます。
幼児の決断は、まだ言葉を知らないうちからなされるのですから、両親の言葉の意味を理解してのことではありません。言葉自体ではなく、声の大きさやトーン、スピードなどから感じ取ります。また言語だけでなく、表情や態度、自分への身体的刺激から、幼児自身が感情を使って決断するのです。ということは、親が意図した通りに幼児は感じていない可能性があるということです。子育てがうまくいかなかったと感じているのであれば、そこに原因があったのかもしれません。

 

両親から幼児に向けてのメッセージは、両親の3つの心の状態から発せられます。心の状態のうち、”子ども”から発せられるメッセージが、ときに問題を引き起こすことがあります。
上でも述べたように、”子ども”の状態は自分が子どもであったころの感情や行動、思考を再現しています。子どもはときに無邪気であり、感情のおもむくままに発言し、行動します。また、親からいわれる”ルール”に反発したくなることもあります。そんな心の状態から発せられるメッセージは、幼児にどのように届くでしょうか。

 

赤ちゃんはよく泣きます。お腹が減った、おむつが気持ちわるい、さびしい、具合がわるいなど、原因はたくさんあります。家事や仕事と子育てを両立するのは大変で、ついイライラして、「うるさい!」といってしまうこともあるかと思います。虐待をしないまでも、言葉がまだわからない赤ちゃんは声の響きや態度で、「自分はいらない人間なのだ」と判断するかもしれません。のちに自殺願望を持つようになる可能性があります。

男の子を望んだのに女の子が生まれた、あるいはその逆のケースがあります。何かのはずみに、つい「お前が女の子だったらなぁ」などともらしてしまうことがあるかもしれません。それを聞いた幼児は、「お父さん、お母さんから愛されるためには、ボクは女の子でなければならないんだ」と決断します。そして、両親が望む性の立ち振る舞いをするようになります。

一番下の子どもはかわいいものです。お兄ちゃんやお姉ちゃんのように親に逆らわずに、ずっとかわいいままでいてほしいと思ったりします。その感情は両親の”子ども”の心の状態において、「かわいいものを側においておきたい」というものです。それが言葉や態度に出て、大人に成長してはいけないというメッセージになります。その結果、いつまでも子どもっぽさが抜けなくなります。父親にあることですが、女性的な魅力を示す服装や態度を嫌うことがあります。これも同類のメッセージを送っています。

過保護と呼ばれるお母さんは、子ども行動に神経質です。「そんな危ないことしちゃダメ!お母さんがやってあげます」という態度は、「何もするな」というメッセージを与えます。そうすると、大人になってもどう行動していいのかと迷い、何事も自分で決められなくなります。親の”子ども”の状態に含まれる「不安」から来るものです。

 

他にも代表的な「○○するな」というメッセージがいくつかあります。そうなると、子どもに対して何もいえなくなってしまうと心配になりますよね。
しかし、そのようなネガティブなメッセージばかり子どもに送っているわけではありません。子どもを優しく養護したり、社会で生き抜くための知恵を与えたり、生活に必要な知識を与えたりと、ポジティブなメッセージはそれ以上にあるはずです。また、ネガティブなメッセージを受け取っているなと感じたら、それとは反対の振る舞いを心がけましょう。一生懸命に接すると、その子の決断が覆るはずです。

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