人の失敗を励まして失敗する
不安を抱いていたり、がっかりしている人を励ますことは日常よくあることです。たとえば、仕事で失敗して落ち込んでいる人に対して、次のように話すことはないでしょうか?
「そんなのどうってことないよ。私なんかしょっちゅうよ」
実はこれ、あまり励ましになっていません。失敗が大したことがないかどうかは自分の受け止め方です。他人の受け止め方を強要されても納得感はないでしょう。他の人が失敗しているかどうかも関係ありません。自分の失敗の、周りや自分自身への影響が心配なのです。励まし方というのは意外と難しいものですね。
ネガティブな体験を前向きにとらえられるように声かけできれば、立ち直りやすいのではないでしょうか。上記の例では失敗そのものよりも、失敗したことに着目します。
「うまくいかないやり方が1つ分かったということ。もう同じことはしなんじゃない?」
あるいは
「経験してない人にアドレスできるよね。助かると思うよ」
子どもがテストで悪い点数と取ってきたときも上記と同様ですね。
友だちとケンカしてきたときはどうでしょう。「仲がよくても、考え方が違うところもあるんだね」あるいは「自分の意見を主張できたということね」と言うことができます。ケンカしたことの意味、または今後それを生かせる状況について言っています。
自分自身に対しても、欠点だと思っていることについて、視点を変えることで違った受け止め方ができ、良い変化が生まれることもあります。「優柔不断」については「物事を慎重に考える」と言えます。また「飽きっぽい」は「好奇心が旺盛」と言えます。
現実や事実を無視したり否定しても解決にはなりません。現実・事実を違った視点で見ることで新たな発見が生まれ、そしてポジティブに考え、行動することができるのです。