勝手にポジティブにさせる声かけ
子どもにやる気を出させる声かけのしかたについてお話しています。
「しっかり勉強して」、「ちゃんと後片付けして」、「早寝早起きして」、「きょうだいの面倒をみて」など、わが子にいろんな”注文”があるけれども、今までどれもまともにやれていない。やりなさいというと、反発ばかり。
そんなお話をされるお母さんは多いです。甘やかしたツケが回ってきたということもあるかもしれませんが、他にも理由はありそうです。
前々回ご紹介したように、具体的な指示に対して聞き手は、その一つひとつに対して判断が働くので、批判・反発・抵抗が起こりやすくなります。仕事上などの作業依頼では、間違いを防ぐために具体的な指示が必要とされますが、やる気を起こすための声かけにはあまり有効でないことが少なくありません。
具体的な内容を避け、あいまいで抽象的な表現を使うと、相手は自然とネガティブなイメージよりも、ポジティブな意識を優先させることが多くなります。人間はもともと、ネガティブに考えるほうがポジティブに考えるよりエネルギーを多く使うからです。
勉強を誘う声かけとして、たとえば以下の例があります。百発百中とはいかないまでも、効果があると言われてます。試してみませんか。
◎ ”なにが/だれが”や”なにを”があえて示していません。相手は自分の都合のいいように、主語と目的語を補補います。
「そろそろやるかな」
「すぐに役に立つわ」
「応援してるよ」
◎ まるで事実や真実のように表現しています。あるいは他人の心の中が分かるように表現すると、相手は自分のことを理解してくれていると思います。
「今日は暖かいから、勉強が進みそうね」
「早く起きたといういうことは、やる気がある証拠ね」
「やる気があるのは知ってるわ」
◎ 例外なんてないという言い方です。相手はその気になってしまいます。
「みんなできるようになったの」
「あなたにもできるわ」