「勉強する」をそっとすり込む
「勉強しなさい」というような直接的な指示は抵抗が起きやすいものです。反対に抽象的な表現を使うと、相手は勝手にポジティブな思考をするので、意欲を引き出すこともできます。
抽象的な表現だけではなく、目先の注意をそらして、意識に差し込むやり方もあります。「勉強しなさい」と言われると、”勉強する”ことに意識が向かいます。勉強の辛さ、つまらなさが思い出され、抵抗・反発が起きます。そこで意識を別のことに向かうようにしておいて、勉強するということを意識の下にそっと忍び込ませます。
たとえば、以下の例があります。
「勉強した後に何か食べる?」
何を食べるかに意識が向きます。何を食べるにしても、勉強することが前提になっています。
「2教科目が終わったところでおやつにしようか」
おやつを食べることを考えますが、その前に2教科の勉強を終えることが前提です。
「今日は英語、数学、どっちの日?」
英語か数学のどちらを勉強することを考えますが、勉強することには変わりありません。
「2教科連続で勉強するのいいかも」
2教科、しかも連続して勉強することを考えますが、たとえそうできなくても勉強はするのです。
強く感応する子もいれば、感じ方が弱い子もいます。程度の差こそあれ、意識の中に”勉強する”ことが入ってきますので、気になり始めるはずです。そのように、心の中に小さな”きっかけ”をつけてあげることができれば、自立的に学習ができるようになるでしょう。