コミュニケーションと心理学

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コミュニケーションと心理学

前回ご紹介した、相手の見かたがわかる、いすを使ったワークは心理療法の一つ、ゲシュタルト療法で用いられる「エンプティ・チェア」という技法です。シンプルな技法なので、いろいろなところで使われていますが、しっかりした知識と技術がなければ、期待する効果が十分に得られないこともあります。しかし、専門家でなくても、真剣に取り組めばプラスの効果は実感できるはずです。
相手の気持ちになってみるとご紹介しましたが、実は自分の心の中にある相手のイメージを、他者(この場合、向かいの空席に座っている想像上の相手)に「投影」しているのです。つまり、実際に相手の気持ちがわかるわけはなく、自分の心の中の葛藤を解決する方法です。

 

さて、わが子やパートナーであっても、別な人間です。親しい間柄だと、相手も自分と同じように考えていると思いがちです。家族であれば、同じ生活様式で同じ時間を過ごすことも多いので、自分との一体化を無意識に求めています。
しかし、それは錯覚です。
何かの拍子にその錯覚に気づいたときに混乱は起こります。親子げんか、夫婦げんかというものは、そこから端を発するのではないでしょうか。

 

わが子に対する日常的な不満、「だらしない」「やる気がない」「いうことを聞かない」などたくさんあります。親がわが子に、「こうあってほしい」と思う状態から外れた言動を子どもが取るとき、不満は湧き出てきます。ではどのようにして、子どもはそのような言動を取るのか、考えたことはあるでしょうか?
自分と同一視していては、子どもをよく見てはいないので、子どもが異なる価値観を身につけてきたことにも気づきません。小さな価値観の違いも、たくさん増えてくると表面に表れてきます。そうして、ある日、対立が勃発するのです。

 

ほとんどの親は、特に子どもと一番長く一緒にいるお母さんは、わが子をしっかり見ていると思っているはずです。しかし、そういう思いが強いほど、見逃すものが増えてくるという逆説的な状況が確実にあります。思い込みがそうさせているのです。

 

では、どうしたらよいでしょうか?
コミュニケーションが上手な人は、自分の子どもともうまくできているようです。コミュニケーションを上達することで、自分の思いが相手に伝わり、相手の思いにも気づくことができるのです。それは家族に対しても、仕事仲間に対しても、接する人誰に対しても同じです。
コミュニケーションをうまくするには、相手の心に注意を向けることが必要です。心の状態は、言葉や表情、態度や身なりにも表れます。それらは心のサインです。そこに気づくかどうか。センスが必要かもしれません。しかし、それは技術でもあるので、その技術を身につけることができれば、コミュニケーション力を上げることができます。

 

コミュニケーションは、心理学でもっとも大きな要素の一つです。
心理学は心の動きを扱います。心理学と聞くと、訳のわからない難しい学問という印象があるかもしれません。しかし、他の学問と同様、奥行きはとても深く、その入り口から深部を見ると、難解に見えることでしょう。はじめから遠くを見ずに、足元を確かめながら進むと、意外にも歩きやすい道だったりするものです。
コミュニケーションがうまくなるために、心理学を学ぶ。それは新しい可能性の萌芽です。

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