分数は苦手だ。
分数の計算になると、よくミスをする生徒がいます。自分は分数が苦手だと思っているようです。
人は何回か同じことについて困難に合うと、それは苦手だと思ってしまいます。対人関係も同じで、他の人に比べてうまくコミュニケーションを取れないと、「あの人は苦手だ。」ということになります。
では、何回くらいうまくいかないと”苦手”となるのでしょうか?
1回や2回ではないはずです。では5~6回でしょうか?それとも10回以上?その経験の種類、その人の捉え方によって回数は異なります。一方で、100回以上失敗しても”苦手”と感じない人はいます。それはどういうことでしょうか?
”苦手”と自分自身と周囲の人に認識させることで、その困難から免れようとしてはいないですか?
「私は○○が苦手だから、できなくてもしかたがない。」
そんなふうに言いたいのかなと思ってしまいます。でもそれは一時しのぎでしかありません。
人間には無限の可能性があるのです。”苦手”という意識で、その可能性を閉ざしてしまいます。それはつまらない免罪符です。
期待したようにいかないことが何回か続くと、「私はそれをできないのだ。」と思い込んでしまいます。次はうまくいくかもしれないのに。そう、それは思い込みなのです。なぜならば、自分にはできないということが、完全に証明されたわけではないからです。できないことが証明できない以上、できる可能性があります。
「どうして分数の計算ができないと思う?」
「計算に時間がかかるし、よく間違えるし…。」
「そうか。何か足りないものはないかな?」
「う~ん、あたま。」
「いや、そうじゃなくて(笑)、今までやってなかったこととか。」
「分数の計算って、あまりやってなかったかも。できないからすぐに嫌になって。」
「できないから、あまり練習問題をやらなかったんだ。」
「やればできるようになるかな?」
「そう思うよ。できないことなんてないから。」
「よし!じゃあ先生、練習問題出してください!」
「いいぞ、がんばれ!」
あなたにも”苦手”が一つや二つあるかもしれません。でも、もう一度よく考えてみてください。それはあなたのつまらない思い込みかもしれません。そうだとしたら、再度チャレンジする価値はあります。苦手だと思っていたことが一つでもなくなったら、もっと楽しく生きていけますから。