自分自身とのコミュニケーション
「うちの子、来年受験なのにやる気がなくて」
高校入試まで半年と迫るなか、相変わらず気迫が見られないわが子に心配になるお母さんは多いです。
それに対して私がお母さんにお聞きするのは、次のようなことです。
「お子さんは将来、何になりたいと考えていますか?」
「お子さんの将来の夢は何ですか?」
将来への希望はやる気の源なのです。目標もなく、何となく生きていては、目の前にある勉強や仕事をするのでさえ億劫になります。将来の夢を達成した時点をイメージし、そこ立って現在の自分を見るとき、何をすべきかが見えてきます。
ところが、その質問に対する答えは、
「分かりません」
そのようにお答えになるお母さんは意外と多いのです。小さなころは「○○になりたい」と無邪気に言っていたのに、いつの間にか自分の将来のイメージをなくしてしまっているのです。
では、お母さん自身は将来どうしたい、どうなりたいというビジョン、目標はお持ちですか?
仕事や子育てに追われて、何も考えられなくなっているというお話をよく聞きます。しかし、お母さん自身が将来のイメージを持っていないのに、お子さんがどうしてそれを持つことができるでしょうか?お母さん自身が自分の将来を向いている姿を見せることも、教育・子育ての一環だと私は考えます。
人は本来の自分自身であるために、自分の意識を拡大する能力を潜在的に持っていると言われています。すなわち、本来の自分自身が将来の夢であるとしたら、人生を変えるパワーを元々持っていることになります。
人間のパワーとは、”行動するための能力”です。自分の夢に気づいていない、自分の夢を持てないでいるというのは、潜在的に持っているはずの自身のパワーに気づいていないのです。
自分のパワーを発見するもの。それはコミュニケーションです。意外な感じがするかもしれません。コミュニケーションと聞くと、相手がいて、お互いに意思疎通を図る行動だと思いますよね。もちろんその通りですが、コミュニケーションは自分自身が相手になることもあるのです。あなたは何か新しい行動を起こそうとするとき、自分自身であれこれ考えますよね?これが自分とのコミュニケーションです。内部対話とも呼ばれています。
あなたが、自分の人生で何をしようとして、何をしないかは、自分自身とのコミュニケーションによって決めています。そして、すばらしい人生は、すばらしいコミュニケーションによって作られると言っても過言ではありません。自分自身との上質のコミュニケーションは、大きなパワーを生むのです。パワーを再び手に入れ、あなたの夢に向かって行動しようじゃありませんか。
お母さん、今一度、自分自身とコミュニケーションを取ってみましょう。あなた自身は何をしたくて、どうなりたいのでしょうか?そこで得られた気づきはあなたの人生を充実させ、お子さんにもそれが伝わるはずです。
自分自身に聞いてみましょう。
「私は誰ですか?」