誰もが持ち続けてる親からの”しつけメッセージ”

これまでにたびたび出てきた拮抗禁止令について、代表的なものを具体的に見ていきます。
拮抗禁止令とは何かを禁止するものではなく、”何をすべきか”を伝えます。「~するな」ではなく、「~しなさい」という形式をとります。
拮抗禁止令は両親の「親」の心の状態(自我状態)から、子どもの「親」に送られます。”しつけ”の一環として伝えられることが多いのです。
ちなみに禁止令は、親の「子ども」から子どものそれに送られます。
拮抗禁止令という名前ははじめ、禁止令に対抗するものと考えられていましたが、実際は禁止令とは無関係であったり、逆に禁止令を強化することもあります。名前を変えるべきでしょうが、そのまま使われ続けています。
拮抗禁止令は、たとえば以下のようなものです。
「子どもは早く寝なさい」
「食べ残さず、早く食べなさい」
「親の言うことは聞きなさい」
「勉強しなさい」
どれも理由があって、子どもに良い効果をもたらすように、”親心”を持って伝えられているはずです。
具体的なメッセージは無数にありますが、それらを分類し概括すると、5つのパターンが浮かび上がってきます。それらを特に「ドライバー」と呼んでいます。drive(人をある行動に走らせる、状態に追いやる)するものという意味です。以下に示します。
「完全であれ」
「強くあれ」
「一生懸命努力せよ」
「(人を)喜ばせろ」
「急げ」
人種、文化、性別、年齢にかかわらず、すべての人はいずれか、あるいは複数のドライバーを持っているとされています。人によって持っていることを自覚していることもあれば、自覚していない場合もあります。しかし、その人の言動を数分間でも観察していれば、どのドライバーを持っているか容易に推測することができます。
ドライバーはその人の人生脚本と密接な関係があり、脚本を実践するうえで、良くも悪くも大きな影響を与えます。
次回から各ドライバーの特徴を見ていきます。