心理学でコミュニケーション・トラブルを解決
職場や学校、家庭においてでさえ、コミュニケーションに関する悩みは尽きません。子どもが言うことを聞かない、配偶者の理解がない、そりが合わない上司や同僚がいる。誰でも一つや二つ、トラブルを経験していると思います。
そういったトラブルの中では、私は正しいことを言っているのに相手は分かってくれない、自分のことばかりを主張して私の話を聞いてくれない、自分を犠牲者・被害者と決め込んで当たり前のことすらしようとしない、などと感じてはいないでしょうか?
相手の考えていること、相手の心の状態が分かったら、対応のしようがあるかもしれません。しかし、人間は他人の心どころか、自分のこともよく分かっていません。「自分のことくらい分かっている」と思うのは、そうありたいという幻想です。そのように思い込むことで、分からない部分に蓋をするのです。果たしてそれで幸せでしょうか?モヤモヤしたまま、同じようなトラブルに合い、そのたびに腹を立て、ストレスを溜めることになりそうです。
こういった悩みは大昔から人類に存在していて、重要な課題でした。人は心理学というジャンルの研究を進め、少しずつではあるけれども、つじつまの合う、首尾一貫した理論をいくつか見つけました。人の心は目に見えるものではないので、大変な苦労があったと思います。しかし、そのおかげで、私たちはそれらを利用することができ、自分自身や自分と関わる人とのコミュニケーションをより良い状態へ導くことができるようになりました。
交流分析(Transactioinal Analysis, TA)もその一つで、臨床精神分析や心理療法として世界中で用いられています。次回から、交流分析の理論をもとに、主に家族の問題の解決に焦点を当てていこうと思います。