人には接しかたの順番がある

誰かとコミュニケーションを築こうとするとき、相手と接する3つの領域があるとお話ししました。それは思考、感情、行動です。また。相手にはコンタクトを受け付ける3つの”ドア”があります。オープンドア、ターゲットドア、トラップドアです。
相手の人格適応によって、どのドアにどの領域でコンタクトを取ればうまくいく、という対応があります。以下に、人格適応ごとの各ドアに対応する領域を示します。

オープンドアは相手を最初に受け入れる領域です。
たとえば、演技型のオープンドアは感情なので、会って最初のあいさつに「こんにちは。今日は天気がいいですね。元気にしてましたか?」などと話しかけるとうまくいきます。そのようにしてラポールを築いたあと、「この間の件だけど、いい考えは思いつきましたか?」と入っていくのがいいです。
もし最初から「先日の案件だけど、なにかアイディアは浮かびましたか?」などと切り出すと、やや動揺しながらあいまいな反応をするかもしれません。彼のドライバーは「他人を喜ばせろ」ですので、あなたが気に入るような答え方を探して悩んでしまうかもしれません。
スキゾイド型と受動攻撃型、反社会型のオープンドアはみな行動ですが、その性質は異なります。行動の領域は、たとえば固い握手やハグ、上着を脱ぐ、イスの背もたれを倒すなどのアクションを伴うコンタクトです。
スキゾイド型の人はこれらを自ら率先してやりません。あなたから行動を始めなければなりません。受動攻撃型の人はあなたのアクションに対して否定的な反応を示す可能性があります。「どうぞ、そのイスに座ってください」には、「大丈夫です、このままで」と立ったままでいるのを好むかもしれません。
反社会型はあなたへの反応の際、少しふざけてからかうようなことをするかもしれません。あなたが「どうぞ上着を脱いでくつろいでください」といったら、「上着を脱がせて、どうするつもりですか?」などといってくるかもしれません。そんなときは、まともに受け合わないことです。
それでもこれらの人格適応の人たちのオープンドアは行動で、思考や感情を用いたコンタクトをしようものなら、たちまち壁を作ってしまい、やり取りがギクシャクすることになるでしょう。
職場であろうと、学校であろうと、ご近所であろうと、家族であろうと、うまくコミュニケーションを築きたいのであれば、取っかかりは相手のオープンドアにあったコンタクトをしなければなりません。そのためには相手の人格適応を知る必要があります。
相手がどんな適応なのかわからないときは、試しにいずれかの領域で接してみることです。「こんにちは!気分はどう?」と話しかけたときに、機嫌よく乗ってくるのは演技型の人ということになります。

