コミュニケーション構築には順番がある

6つの人格適応を見てきましたが、私たちのパーソナリティはたった6種類しかないということではありません(血液型占いは4種類しかありませんが)。
人は皆、6つの人格適応のいくつかを示します。主たる人格適応は1つか2つですが、状況によって他の人格適応も示します。それらの組合わせによって、多種多様なパーソナリティが作られているのです。
相手の人格適応がわかったら、次はどのようにコミュニケーションを作っていくかです。
ここで「ウエア・シーケンス」なるものをご紹介します。良いコミュニケーションを築こうとするとき、相手の人格適応によってアプローチの順番が違うのです。
まず、相手の何にコンタクトする(つながる)かといえば、「思考」「感情」「行動」の3つの領域に分けて考えます。これらをコンタクト領域と呼びます。これらの3つの言葉に”的”を付けてみるとわかりやすいでしょう。思考的な人、感情的な人、行動的な人というのは、それぞれの領域がもっとも強く表れている人です。
そして、誰でもコンタクトのための”ドア”を3つ持っています(コンタクトドア)。「オープンドア」「ターゲットドア」「トラップドア」です。
オープンドアとは他者と最初に関わる領域。ターゲットドアとはその人の心理的中核をなす部分で、良い性質であることもあれば、心理的な治療の対象となる場合もあります。トラップドアとはその人がもっとも防衛的になる領域で、相手は油断していると文字通り”罠”にはまります。
たとえば、パラノイド型(才気ある懐疑者)の場合は、オープンドアが思考、ターゲットドアが感情、トラップドアは行動となります。
彼らとコミュニケーションをとるときは、最初に思考的な要素のやり取りでアプローチを始めます。うまくいってラポール(信頼関係、親密さ)が築けたら、感情的なやり取りをしていきます。
もしここで順番を間違えて、行動的なコミュニケーションを取ろうとしたら、相手はまたたく間に壁を作ってしまうかもしれません。
よくあるコミュニケーションのトラブルは、この順番(シーケンス)を間違えてしまったことに起因することが多いようです。
次回以降で、もっと詳しく見ていこうと思います。

