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脚本から抜け出せない理由

人はまだ赤ちゃんか幼児期のうちに、自分の人生のシナリオを決断すると言います。人生の筋書きをおおむね決めてしまうのです。生まれてから間もないうちに決断するのですから、大人からすると稚拙で、取るに足らないもののように見えますが、非力な幼児にとっては生死に関する大事な判断でした。”大事な戦略”というすり込みができ、たとえ大人になっても簡単に捨てられないのです。それは”子ども”の自我状態の中に持ち続けることになります。

脚本は子どもが作るのですから、解決できない問題に対しては、魔法のような解決策を取り込みます。そこで重要な役割を果たすのがおとぎ話です。自分の脚本と通じるところがあり、とくに感銘を受けたおとぎ話の主人公と自分を同一化します。「わたしはシンデレラよ」「ぼくは桃太郎だ」という具合です。
おとぎ話のようにしていれば、必ず望むものが手に入ったり、幸せになれると信じます。

多くのおとぎ話では、良いことを得るために、大きな犠牲を払わなければなりません。シンデレラはみすぼらしい格好で1日中働き続けなければなりませんし、桃太郎はイヌ、サル、キジに出会う必要があり、そもそも桃から生まれなければ物語が始まりません。
おとぎ話のような成り行きを信条としているので、大人になってからもうまくいかないときは、「まだ苦しみが足りないからだ」と考え、さらなる苦行を受容しようとします。

脚本を捨てられない理由はもう一つあります。「もし、この脚本で決めたようにしなければ、もっと恐ろしいことが起きるに違いない」と考えるのです。生きる術として決断したのですから、それを捨てるということは死に直結してしまうのです。
日常の生活の中で、今のやり方にどこか不快感や居心地の悪さを感じても、簡単に変えることができないという人がいます。やり方を変えるともっとひどい状況になるから、変えないほうがいいと思っているからです。これは脚本に依存している証拠ではないでしょうか。

脚本から脱却するには、脚本への信仰をやめ、”成人”の自我状態において、客観的な視点や論理的な思考を使って状況判断をし、新しい解決策を探さなければなりません。とくに、うまくいかないという状況を繰り返しているときは、脚本の中にいて、自らそういう状況を作り出そうとしている可能性があります。
うまくいくような状況にするために、いろんなことを試してみることです。

札幌あおば学院
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