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私はOK?あなたはOK?

人は幼児期に、自分の人生について、「どのように生きるか」を決断し、”脚本”を作ります。実はその前後でもう一つの確信を得ます。それは、自分と相手(自分以外の人)の存在価値についての判断です。自分には存在価値がある、あるいは存在価値がない。相手には存在価値がある、あるいは存在価値がない。シンプルゆえにはっきりした判断がなされます。

交流分析では、存在価値があることを「私または相手はOKである」といい、存在価値がないことを「私または相手はOKでない」といいます。自分と相手との関係から4つのパターンができます。これらを人生の立場と呼んでいます。
・私はOKである。あなたはOKである。
・私はOKでない。あなたはOKである。
・私はOKである。あなたはOKでない。
・私はOKでない。あなたはOKでない。

これらがどのように行動に現れるか見ていきましょう。

「テストが近いわね。がんばってね。ひざ掛けを出しておいたわよ。飲み物とおやつも下に用意してあるからね」「ありがとう。夕飯まで勉強するよ。ご飯、何時?」「今日はパパ早いみたいだから、6時半ね」「わかった」
彼はテストに向けて勉強の意欲があり、集中してできる気がしてます。お母さんが自分のことを気づかってくれているのが分かっています。それぞれの役割を認識しています。
これは「私はOK、あなたもOK」です。自分と相手が”一緒にやっていく”と感じてます。

勉強を始めてしばらくすると、難問にあたりました。解き方が分からず、解説を読んでようやく理解できましたが、次の問題も分かりません。「こんな問題、アイツ(ライバル)なら解けるんだろうな。負けたくないけど、できる気がしないや。先に英語の勉強しよう」
解けない問題が続き、意欲が下がってきました。ライバルの子のことは気になりますが、他の教科をがんばろうと思ったようです。「私はOKでない、あなたはOK」です。現在の状況からの逃避を選択したのです。

英語の勉強は順調に進み、充実感を感じています。勉強を始めて1時間以上たったので、休憩をしようと階下に降りていきます。お母さんが用意してくれたココアとクッキーを食卓のテーブルの上に見つけます。見ると、クッキーが半分しかないようです。おかしいなと思って振り返ると、弟がゲームをしながら食べているではありませんか。「おい、それ兄ちゃんのだぞ。ママがオレに用意してくれたんだ。返せよ」と言ってみたものの、もう食べ尽くところです。「クソ!覚えてろよ」と床を踏み鳴らして、残りのおやつとココアを持って2階に上がっていきました。
「私はOK、あなたはOKでない」です。自分はまともにやっているのに弟はぜんぜんダメだと、他者を排除する選択です。

机に戻って勉強を再開しますが、英語のワークがないことに気づきました。「学校に忘れてきたのかな?あ、いや、Aが分からないって言うから、オレのワークを貸してやったんだ。すぐ返すって言ったくせに」
自分で勉強できないAくんはダメですが、ちゃんと返してもらわなかった自分もマヌケだと自覚します。
「私はOKでない、あなたもOKでない」です。どうしようもない、行き詰りの感覚を選択したことになります。

このように、4つの立場を示すのですが、ある出来事がきっかけで自分の脚本に入り込んでいるときは、これらのうちどれかにいる時間が長くなります。
この人生の立場が脚本を強化します。ある立場を採用すると、その後の脚本全体をその立場に沿うように構成することになります。

札幌あおば学院
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