「わかってくれている」とは限らない

続けてきました12の禁止令も残りは以下の4つです。
◆近づくな(Don’t be close)
他の人との身体的な接近や接触を嫌う人が、自分の子どもに対しても距離を置こうとするときに伝えられます。ほとんどの場合、非言語的メッセージとして子どもは受け取ります。つまり、親の態度を見て感じ、そう決断するのです。また、娘を持つ父親は性的な警戒心から、自分の娘との接触をためらうケースがあります。娘は父親から拒絶されたと感じるかもしれません。
この禁止令を持っていると、さまざまな人間関係の中で、相手に対し疑心暗鬼なってしまいます。相手が温かく迎え入れようとしても、どこかに拒絶の”しるし”を探し続けるのです。
「近づくな」の派生に「信頼するな」や「信じるな」がありますが、「信じるな」は子どもを虐待したり、だましたり、自分のために利用しようとしたりする親に対して、子ども自身が決断する禁止令です。
◆健康であるな(Don’t be well)
毎日とても忙しく、普段なかなか子どもと一緒にいられない両親が、子どもが病気になったときにようやく優しくしてくれた。そのとき子どもは、「ママやパパの愛情をもらうには病気になればいいんだ」と決断します。親の心の奥のことは子どもには分かりません。子どもが両親を見て、どう感じるかなのです。また、「この子は身体が弱くて」や「すぐに体調をくずす子なんです」などと親が誰かに話しているのを聞いて、自分はそうあるべきだと判断します。
大人になってもこの禁止令を持っている人は、仕事や人間関係でうまくいかなくなったときはいつも”病気”になるのです。仮病というわけではなく、本当に熱が出たり、頭やおなかが痛くなるのです。
◆考えるな(Don’t think)
子どもも子どもなりにいろんなことを考えます。大人には当たり前のことも、子どもにとっては大きな発見であったりします。そんなとき、意気揚々と父親や母親に教えようとしたところ、「そんなこと、わかってるよ。何いってんだ」といわれました。子どもは考えるのをやめてしまいます。また、最近は少なくなりましたが、「女の子は小ざかしいことを考えなくていいんだ」などという父親はこのメッセージを渡していることになります。
この禁止令を持っていると、何か問題が起きても解決策を考えようとせず、ただ動揺するだけです。
◆感じるな(Don’t feel)
家庭によっては感情をあまり表に出さないことがあります。日本人はあまり感情を示さないといわれてました。北欧の国々の人たちは、南欧の人たちより感情を表すことが少ないようです。文化的な背景があるのでしょう。
怒りや悲しみなど、ある特定の感情だけを”禁止”されている家庭もあります。「そんな大声で怒鳴るな」「男はめそめそするな」などと幼少期からいわれ続けてきたかもしれません。また、「女の子は愛想よく笑っていればいいのよ」とよろこびの感情のみが許される場合もあります。
派生バージョンとして、「お前が感じることは感じるな。私が感じることを感じなさい」があります。たとえば「ママお腹すいちゃった。パスタでも食べようか」や「パパはこのTシャツがいいな。お前もこれにしなさい」といわれ続けると、「何にする?」と聞かれたとき、「何でもいい」と答えるようになります。