ゲームへの対処

自分から相手をゲームに誘ったり、相手からゲームに引き込まれたりしますが、どちらにしても最後は悪い感じが残ります。そんな経験を避けるには、ゲームに気づくことが必要です。
今回はゲームへの対処のしかたを見ていきます。
注目すべきは、ゲームの間にどんなことが扱われているかではなく、どのようにしてそれが行われているか(プロセス)、です。プロセスは次の3つに分類されます。
①他者の過ちを見つけようとするもの
②自分の過ちを他者に見せつけようとするもの
③行き止まりになるもの
これらを念頭に置くことで、ゲームへの”対抗策”を得ることができます。
実は、ゲームをしていることに気づいても、そこから抜け出すことは簡単ではありません。相手も巧みにあなたをゲームに留めようとします。
対抗策の1つは「代替案」と呼ばれるもので、相手の期待するものとは別の反応で応えることです。それには、(1)1人または両方の自我状態を変化させる、(2)2人の交流を交叉させる、ことが必要になります。
たとえば、以前ご紹介した、英語がわからないという子どもとお母さんの会話です。
子「英語がよくわからなんだ」
母「困ったわね。少しならお母さんもわかると思うわ」
子「そうかな」
母「本屋さんに参考書でも見に行こうか?」
子「うん、でもそんなの見てもわからないかも」
母「わからないところはお父さんに聞いたら?」(以後、省略)
参考書を見てもわからないという子にお母さんは、お父さんに聞くという提案をしていますが、ここで
母「参考書を見てもわからないんならしょうがないわね。あきらめましょ」
と応えたらどうでしょう?子どもは次の提案を待って、それを否定するつもりでいました。予期せぬ反応に困惑して、ゲームを終わらせるでしょう。
あるいは最初の”わな”である、「英語がよくわからないんだ」に対しては、
母「わからない、わからない、わからない…で、なにが、どうして?」
と言ってみるといいでしょう。「英語がわからない」には自分に対しての値引きが含まれています。何がどうわからないのかを自問自答させることでゲームを回避できる場合もあります。