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ゲームから抜け出すには

前回は相手のゲームに入ってしまいそうなときに、どのようにして回避できるかについてお話ししました。今回は、すでにゲームに入ってしまってからの対処について見ていこうと思います。

知らず知らずのうちにゲームに入り込んでしまい、「切り換え」のときに気づいたとしましょう。切り換えとは、相手と自分の役割が一瞬にして変わってしまうことです。以前に取り上げた母と子の会話を再現します。

子「英語がよくわからないんだ」
母「困ったわね。少しならお母さんもわかると思うわ」
子「そうかな」
母「本屋さんに参考書でも見に行こうか?」
子「うん、でもそんなの見てもわからないかも」
母「わからないところはお父さんに聞いたら?」
子「そう。だけどお父さん帰りが遅いじゃない。待てないよ」
母「それじゃあ、英語の塾に通う?」
子「それも考えたんだけど、部活があるから時間取れないよ」
母「う~ん…」
子「ま、いいよ。自分で勉強する」

冒頭から子どもは「犠牲者」の役割を演じ、母は「救助者」の役割を担ってますが、最後に子どもは突然母親を見限る「迫害者」となり、母は自分の無力さを感じる「犠牲者」となっています。これが切り換えです。

お母さんにとって自分の無力さを感じることはお母さんの脚本の「報酬」です。この報酬を受け取らないようにすればよいのです。
子どもの態度の急変で「あ、これは切り換えが起きてるな」と思ったら、次のように考えてはどうでしょう。「あぶない、あぶない。『はい、でも』ゲームをするところだった。それに気づくなんて、私は賢いわ、甘く見ないでね」
こういう気づきをくり返しているとゲームは次第に減っていき、たとえゲームに入り込んでも深刻度は軽く済むようになります。

あるいは、「成人」の気づきを使って、本当の感情を相手に伝えることもできます。たとえば、「あなたを何とかして助けてあげたいと思ったんだけど、あなたも中学生なんだから、どうしたらいいか自分で考えるべきね。具体的な案を考えてみなさい」などと言うこともできます。

こういった”切り返し”をしたからといって、相手は自分のゲームから抜け出すことはできないかもしれませんし、子どもは母親を見下すような態度をとり続ける可能性もあります。しかし、お母さんの本当の気持ちを伝えることは、子どもとのコミュニケーションにおいて大切なことです。少しずつかもしれませんが、理解できるようになることを信じるべきではないでしょうか。

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