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「値引き」がおきるとき

ここまでお話してきた「値引き」について、ちょっとまとめてみようと思います。

値引きがどうして問題になるかというと、値引きすることによって、いつも最後は不快に感じることになる人生脚本に引き込むものだからです。

値引きとは何かというと、問題解決(必要を感じて何かをしようとすること)のための情報や知覚、思考、能力といったものを、自覚することなしに無視することです。

たとえば、ある子どもが勉強をしていて分からない内容に出合ったけれど、教科書や参考書などで調べたり、先生に質問したりせずに、内容を理解しようとしないとき、その子は値引きをしていると言います。

値引きの対象は、自己と他者、状況の3つです。上記の例ですと、自分で調べることもできるという自己の能力を値引きしています。あるいは、先生は教えてくれないと思っているとしたら、他者を値引きしています。また、「きっとみんなも分かっていないにちがいない」と思っていたら、状況を値引きしていることになります。

値引きには3つのタイプがあって、それは刺激、問題、代替案です。

刺激を値引きすることは、知覚を無視することです。つまり、見ることができるものを見ない、聞くことができることを聞かない、何も感じようとしないのです。先ほどの子どもの例では、書いてある内容を理解できないモヤモヤ感や無能力感を追いやってしまっています。あるいは、先生が他の生徒に教えている姿を”見ない”ようにしていたかもしれません。

問題の値引きは、何が起きているかは分かるけれど、それが問題になっているということを無視します。「これが分からなくっても、大したことはないよ」と自分に言い、それがどんな意味を持つかを考えようとしません。

代替案の値引きは、何が起きているのか、それが問題を引き起こしていることは分かっていますが、それに対して何かできるという可能性を無視、あるいは否定します。上記の子どもは、この内容を理解できなければ、この先さらに悪い状態になるだろうということには気づいていますが、そうならないようにするために自分にはいくつかのアクションの選択があることを排除してます。

値引きは誰でも、どんなときにも、無意識にやってしまうものです。しかし、「今、ここ」の状況を適切に把握し、冷静に判断できるならば、もっと良い結果を得ることができるのです。

札幌あおば学院
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