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意識を変えろと言われても

学校は夏休みに入りました。受験生にとっては勝負どきです。この休みの間にどのくらい力を付けられるかが重要です。2学期は何かと学校のイベントが多かったり、冬休みではもう手遅れです。成功する受験生は夏休みを全力でがんばっているのです。

しかし一方では、1~2年生のときと同様に、ここぞとばかりに遊ぶことに集中している子もいます。周りの人が助言してもピンとこないのか、勉強に力が入りません。中学生の年齢ではメタ認知能力が十分に発達しておらず、自分には何が必要かが分からないのです。自律的に学習ができている子は、メタ認知能力が発達していると言えるでしょう。

と言えども、勉強をしないままにしておくわけにもいきません。どのみちしなければならない勉強ですから、自覚のない我が子を誘導し、早めに机に向かわせるのは親業の一環であり、大人の役割でもあります。
しかし、ただ「勉強しなさい」と言うだけでは、逆に反発されることのほうが多いものです。前回のブログで書いたように、行動面を指摘するよりも、より上のレベルの意識を変えるようにアプローチするほうが効果があります。

まずは環境の意識です。本人の目に見えるもの、聞こえるもの、感じるものへの意識のことで、本人の感情も含みます。友だちの誘惑、勉強したくないという気持ち、文句を言う親、それにイライラするなどが環境のレベルです。

その上の行動に対する意識は、何をしているかということです。何をしていないかも含みます。勉強をせずに遊びにいくというのが行動のレベルです。

次は能力に対する意識で、身体能力、学力、知識、判断力や時間管理能力も含みます。学習計画が立てられない、何をしなければならないかが分からない(メタ認知能力の一部)というのが能力のレベルです。

その上にあるのは信念・価値観の意識です。「○○は~だ」というのはまさに信念です。面倒なことは後回しにして楽しいことを優先する、いざとなったら親が何とかしてくれるはずというのは信念・価値観のレベルです。

その次は自己認識の意識です。「自分は何者か」の問いに対する答えで、子ども、中学生、受験生などです。やりたいことが許されている子ども、守られている子どもといった意識も自己認識のレベルです。

もっとも上位に位置するのは精神的な、自己の存在意義に対する意識です。中学生以下の子どもはあまり強く意識していないかもしれませんが、自分は家族、友人、学校、社会の一員という感覚で、ずっと家族に守られている存在、社会のことなど考えられないと感じるのは精神的自己存在意義のレベルです。

最上位の意識を、もし「人のためになるようなことをして働きたい」や「社会のためになりたい」と変われば、その下の自己認識の意識も「基本的な知識や学力を身につけなければならない学生」「人生に大きな影響を与える受験を控えた学生」と変わるかもしれません。
そうすると、その下の信念・価値観の意識は、「今が大事な時期」「自分自身ががんばらないといけない」と変わるはずです。
さらに、その下の能力の意識は「苦手な教科を重点的に勉強し、次のテストでスコアアップを目指す」「計画に沿って夏休みを乗り切る」と変わります。
行動の意識としては、朝は早い時間に起き、自分で決めた時間勉強する、机の周りの不要なものは片付けると変わっていきます。
最下層の環境の意識は、以前はできなかった問題ができるようになり、ノートもしっかり書けている、がんばっている自分がうれしい、と感じるように変わります。

すべての意識レベルを変えていくのは大変なことですが、気になった行動や思い、考えかたより上の意識レベルに上がって、それを見直すようにすると効果があります。

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