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ストレスと人生脚本

私たちが幼児期に決断した人生の脚本を、大人になってからも持ち続けているのには理由があります。それは、幼児期に解決されないまま残されている基本的な問題があり、いまだにそれを解決できたらなぁと望んでいるからなのです。その問題とは、無条件の愛情と関心をいかに手に入れるか、です。

幼児期と同じ願望を持ち続けているので、大人になってからもその頃と同じ反応をします。人生の問題の起源が幼児期にあるというのは、さまざまな心理学で共通する考えです。
そのような反応をしているとき、私たちは「脚本の中にいる」あるいは「脚本的行動・感情に入り込んでいる」と呼びます。

脚本の中にいるときは、自分自身では気づかないのが普通です。ある瞬間に脚本に入るかどうかを予測するのは不可能ですが、入り込みやすくなる要因としては以下があります。
・今ここでの状況がストレスフルであると知覚されたとき
・今ここでの状況と、子ども時代のストレスフルな状況が似ているとき

ストレスの程度が高くなると脚本に入り込みやすくなりますが、その程度は人によって異なります。同じような体験をしても、脚本に入り込んでしまう人もいれば、踏みとどまる人もいます。ストレス自体が強制的に脚本に導くわけではありません。自分では意識していなくても、自分自身の決断で脚本行動に入り込んでいるのです。

学校で、誤って備品を壊してしまったとします。担任の先生に叱られ、ストレスは感じましたが、脚本には入り込まずにいました。そこへたまたま通りかかった校長先生から「君はいつも失敗しているね」と言われた瞬間、脚本にスッと入ってしまいました。無意識に校長に自分の父親の姿を重ねたのです(転移)。幼稚園の頃、いたずらをして母親に叱られていましたが、最後には父親が出て来て、冷ややかな目で見下ろし、言葉数は少なくても厳しいことを言われた経験がありました。恐怖を感じ、手が震え、言葉が出てきませんでした。そのとき幼稚園児の自分に戻ってしまったのです。

自分の脚本の存在に気づくことができれば、脚本行動に入り込む前により高いストレスに対処することもできるようになります。

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