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不毛な会話に気づかない

終わってみるとお互いに嫌な感じになる会話。しかも、たびたび同じようなパターンを繰り返してしまいます。交流分析ではこのようなやり取りを”ゲーム”と呼んでいます。ゲームと呼ぶ理由は、ルールがあり、得るものがあるからです。
ゲームに引き込むために相手を誘い、相手はそれに乗る合図をします。そこから一連のやり取りが始まり、乗った側の手が尽きたと思ったら突然、立場がひっくり返り、混乱してしまいます。結果的にゲームを仕掛けたほうは期待した結論を得、乗った側も誘いを受けたときに予想した結果を得ます。
お互いにいい気分ではないのですが、意識せずとも潜在的にそのような結末を求めているのです。

ふたたび、具体的な例を見ていきましょう。

子「買い物に行ってあげるよ。何かある?」
母「じゃあ、コンビニでいつものパンを買ってきてくれる?」
子「いいよ。他には?」
母「パンだけでいいわ」
子「わかった。行ってきま~す!」
母「ちょっと、お金渡してないけど。はい、お金。大丈夫なの?」
子「大丈夫だよ。よし、行ってきまーす!」
しばらくして戻って来て
子「ママ、なに買ってくるんだっけ?」
母「いつものパンでしょ!バカな子ね」
子「ははは」

この子は「自分はバカなのだ。自分はOKではない」という自己否定的な信念を持っています。おそらく、幼少期に、バカなことすると親が笑ってくれて、かわいがってくれたのだと思います。成長しても、人からバカと言われるを無意識のうちに求めます。
しかし、この子が大人になり、会社に勤めるようになったらどうでしょう?子どもの頃に得た信念は、大人になったからといって、自然に変わったり、なくなったりするものではありません。会社でも無意識にバカな行動をとってしまい、たびたび上司から叱責を受けるでしょう。最後にはクビになってしまうかもしれません。

このお母さんもゲームに気づいていません。いつものことだと流してしまっています。お母さんは、今この状況を客観的に見て、考える必要があります。お母さんが品物を紙に書いて、お金と一緒に持たせたとしても、それらをどこかに置き忘れるか、途中で落としてしまうかもしれません。子どもは常に失敗の方法を探しているのですから。
何がいけないのか、どうしたらよいかを子どもと一緒に考え、信念となっているバカな行動はいつも受け入れられるとは限らないことに気づかせなければなりません。

札幌あおば学院
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