良いも悪いも、繰り返される行動
・学校から帰ってきて、グズグズして勉強をなかなか始めようとしない
・朝早起きをしようと思うのだけど、「あと10分」と言って、また寝てしまう
・部屋をいつもきれいにしておこうと思うけれど、面倒くさくて片付けができない
自分の行動を変えたいと思っていても、なかなかできないということは誰にでもあります。なぜかいつも同じことをしてしまい、同じようにイヤな気持ちになります。
私たちは日常の生活で、いくつかの行動パターンを持っていて、それによって生活をスムーズに送ることができてます。たとえば、朝起きてから、トイレに行って、顔を洗って、ご飯を食べて、着替えて、といった行動の順番が決まっていませんか?自分にもっともフィットする順番が見つかったら、毎日これを繰り返します。そうすることで、いちいち「次は何する?」と考えずに済み、朝の忙しい時間帯を効率よく乗り切ることができます。
しかし、行動のパターン化は良いことばかりとはかぎりません。冒頭のように、分かってはいるけれど毎回同じことをしてしまうというのもパターン化なのです。一度パターン化してしまうと、なかなか抜け出せなくなります。そうは言っても何とかしたい。
朝の効率的な行動パターンの良いところは、それに従っていれば遅刻をせずに済むということです。一つひとつの行動をやり終えるたびに、遅刻をしない未来に向かっていくので、潜在意識の中に安心感が生まれます。また、何か一つの行動をしなかったとしたら、たとえば朝食を食べなかったとしたら、その後の空腹に悩まされることが容易に想像できます。だからご飯を食べることにためらいはありません。
一方、ネガティブなパターンでは、たとえば帰宅後グズグズしているのは、勉強をしなければならないと分かっているけれど、勉強をしている状況を想像し、ツライなと思ってしまうからかもしれません。あるいは、ゲームをしたいのだけど、それをすると怒られるという葛藤に悩んでいるかもしれません。いずれも、未来のネガティブな状況を想像しているのです。
そのとき、その先にある、勉強したことによる達成感や有能感の獲得まで想像が及んでいないことに気づきましょう。
人は意味のない行動はしないと言われます。しかし、自分に役に立つ行動と、役に立たない行動があります。まさに今、何が自分にとって役に立つのか、それによってどのような気分になれるのかをちょっとの間でも考えてみるのがいいと思います。