悩めるお母さんには、”気づき”
「うちの子、中学生にもなって、自分のことを自分でできないんです。いつも全部私がやることになって…。」
こんなフレーズをときどき聞きます。服は脱ぎ捨てたまま、学校のカバンも玄関に置きっぱなし、子ども部屋は足の踏み場もない状態。勉強も自分からやる気配がないそうです。
こんな悩めるお母さんに、どう声をかけるといいでしょうか?
「やらなきゃいいのに。」
やってあげるから自分では何もしないのだから、やってあげなければ自分でするようになるというのが理由です。しかし、ほったらかしにできない、ついやってあげたくなってしまうから困っているであって、「やらなきゃいいのに」と言われても、「それができたら、悩まない!」と感じてしまうでしょう。
このように、できないから困っているという人に対して、単に「やったらいいのに」と言うことはアドバイスにはならず、反対に「自分が否定された」と思わせてしまうことがあります。「良かれと思って言ってあげたのに」と、言ったほうも嫌な気持ちになります。これでは良いコミュニケーションを築ける関係にはなれません。
こういうときは、下手なアドバイスよりも、相手の気づきをうながすのがよいでしょう。
「いつも子どもの後片づけをしなきゃいけなくって…。手間がかかって大変。」
「もし、後片づけをしないとどうなるんですか?」
「え?そりゃ、その辺がぐちゃぐちゃになって、ゴミ屋敷のように…。」
「そうなると、どうなりますか?」
「主人も怒ると思います。妹も文句を言うでしょうね。」
「それで?」
「あの子もみんなから言われたら、やらなきゃいけないと思うかもしれません。それにぐちゃぐちゃすぎて、必要なものも探せなくなりますから。」
「片づけをしてあげないとどうなるの?」と質問をすることで、家族の協力を得られたり、なにより子ども自身が困ることになるということに気づきました。
困難な状況にあるときに、ただその答えを待っているだけでは解決はできません。答えはすでに自分自身の中にあるはずです。そこに気づくと、悩みごとから解放されることもたくさんあります。