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値引きを見破る

前回、人が値引きをしているかどうかを見破ることはできないと言いました。値引きは頭の中で行われるので、他人の心でも読めないとわかりません。
しかし、その人が示す行動や発する言葉から、値引きをしていることを推測することはできます。

その一つはドライバー行動です。ドライバーとは、幼児期に親からメッセージとして与えらた、その人が考える人生を生き抜くために必要な信念のようなもので、ドライバー行動とはその信念によって、脚本に入るときに見せる特徴的な行動のことです。
たとえば「一生懸命努力しろ」や「完全であれ」のドライバーを持つ人は、その行動をすることで、はじめて自分はOK(受容される)だと考えます。しかしそれをするしないにかかわらず、もともと彼らはOKですので、彼らは自分に対して値引きをしているのです。

発する言葉からはより明確な手がかりが得られます。
「○○できない」という人は、ほとんどの場合、値引きしています。今できるだろうか、あるいはいつできるだろうかと問いかけることでそれに気づくでしょう。
また、「~してみようと思います」も値引きのしるしです。これを言う人は、たいてい「やってみようと思うけれど、たぶんやらないだろう」と考えているからです。

非言語的な手がかりもあります。言葉と行動が一致していないときにわかります。私が生徒に「この問題、わかった?」と聞いたり、セミナーの講師が受講生に「ここまではよろしいですか?」と聞いたとき、「はい」と答えながらも目は合わせず、どこか居心地が悪いようなしぐさをします。ここでは、問題自体の理解ができないことが値引きではなく、わからないことをわからないという能力を値引きしているのです。

ちょっとおもしろいものに、良くもないことを言いながら笑う人がいます。たとえば「わたし、テストで大失敗しちゃった、フフフ」、「彼女にフラれちゃってさー、ハハハ」などで、話の内容はおかしくありません。これを交流分析では”絞首台の笑い”と呼びます。
絞首台の笑いをしているときは、自分の脚本をより確かなものにする(強化)ために、聞き手を誘っているのです。聞き手が乗ってきたら、受け入れられたと解釈して、「自分はダメ人間だ」というような脚本を強化することができます。その手に乗らないためには、「なにもおかしくはないよ」と言ってあげることです。

札幌あおば学院
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