かみ合わないコミュニケーションの裏には

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かみ合わないコミュニケーションの裏には

前回お話した心の状態に着目すると、うまくいかないコミュニケーションの原因も見えてきます。相手に話しかけるときは、自分自身のある心の状態から、相手に期待する心の状態に対してアプローチをかけるのです。例として、以下の親子の短い会話があります。

「お腹すいたぁ」
「はいはい、おやつあるわよ」

子どもは自分の”自由奔放な”「子ども」の状態から、お母さんの”母親的”「親」の状態に向かって話しかけています。そして、子どもの期待通り、”母親的”「親」の状態からレスポンスを受けてます。お互いにしっくりいく、スムーズな会話ができています。
次の例はマサルくんとお母さんの会話で、上記のものとちょっと異なります。

「あ~暇だぁ~」
「暇って、あんた、勉強したの?」
「学校の宿題ならやったよ」
「このあいだ買ったドリルは?」
「少しやったけど、分からないところがあって…」
「分からないところはパパに聞きなさいって言ったでしょ?」
「パパ、いつも忙しいんだもん」
「忙しくたって、勉強見る時間くらいあるわよ」
「いいや」
「なにがいいのよ!」

最初のマサルくんの発言「あ~暇だぁ~」は、マサルくんの”自由奔放な”「子ども」の状態から、お母さんの”自由奔放な”「子ども」の状態にアプローチしています。暇だから一緒に何かしよう、という誘いの意図があります。
ところがお母さんは、マサルくんが期待していた「子ども」の状態ではなく、”父親的”「親」の状態から、マサルくんの”従順な”「子ども」の状態に対して答えています。”父親的”「親」の状態は、支配・規律・規則・道徳の重視、教育的な指導をする特徴があります。
マサルくんにとっては期待はずれのレスポンスです。そこでマサルくんは”従順な”「子ども」の状態から、お母さんの”母親的”「親」の状態に向かって、「学校の宿題ならやったよ」と答えています。褒めてもらいたいという気持ちがあります。ただ、この発言の裏には「宿題やったんだらか文句ある?」というような、”反抗的な”「子ども」の状態も見えます。
その後の「…ドリルは?」「…分からないところがあって」は現在の状況をお互いに冷静にやり取りしているので、「成人」の状態にあると言えます。
しかし、お母さんの「分からないところはパパに聞きなさいって言ったでしょ?」は、再度”父親的”「親」の状態からマサルくんの”従順な”「子ども」の状態に向けられていて、マサルくんの「パパ、いつも忙しいんだもん」は”自由奔放な”「子ども」の状態からお母さんの”母親的”「親」の状態に答えています。

 

このように、相手に話しかけるときは相手の特定の心の状態を期待していますが、それがマッチしないときにコミュニケーションがうまくいかなくなるのです。マサルくんのお母さんは話を聞いているようで、実際はマサルくんが何を言おうとしているかに気を配ってはいません。
言葉そのものの意味に反応する前に、「この子が本当に伝えたいことは何かな?」と少しだけ考えてみると、また別なやり取りができるかもしれません。

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