反抗期の行動の裏にあるもの

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反抗期の行動の裏にあるもの

小学校の高学年から中学生くらいになると、親に対して反抗的な態度を取ることが増えてきます。2つあると言われる反抗期の一つですね。自立心の芽生えと考えられるので、喜ばしいことではありますが、正直、逆らうと腹が立ちます。子どものためにと、日々世話をしたり、アドバイスや忠告をしたりして、余計な苦労をしないで生きていってほしいと願うからこそですよね。以前のように、素直に親の言うことを聞いてほしいのに…。

第二反抗期の親や先生・先輩に逆らうという行動は、心と体の調和が取れないことによる不安やストレスから生じるものとされていますが、中にはコミュニケーション能力を成熟させる途中での葛藤と捉えることができるかもしれません。コミュニケーションがうまく築けるとストレスは軽減されるはずです。

 

さて、人は一人では生きていけないと昔から言われますよね。動物の中には群れを作らず、大人になると単独で生活するものもいますが、人間は進化のはじめから集団で生活してきました。知能が発達しているので、一人で生きていくことも可能になりましたが、安心、安全な生活を送るためには、集団社会の中で他者とのコミュニケーションが不可欠です。
さらに人は、本能的に幸せを追い求めようとします。幸せな状態になるためには、安全・安心であることが基本です。そのためには豊かなコミュニケーションが必要となるわけです。

 

他者とのコミュニケーションで必要なのは言葉だけではありません。お互いにさまざまな刺激のやり取りをしながら、意思の疎通をしているのです。表情や動作、声の大きさや高さ・スピードなど、相手に印象を与える多くの要素があります。人はこれらの要素を自然に、無意識のうちに使ってコミュニケーションを取っているのです。

たとえば、生まれたばかりの赤ちゃんとのコミュニケーション。お母さんは優しく撫でたり、抱きあげたり、お乳をあげたり、笑顔で話しかけたりします。「○○ちゃん、大好きよ」もちろん、赤ちゃんは言葉が分かりませんから、お母さんの言っていることは理解できませんが、赤ちゃんも笑顔を返します。泣いたり、手足をばたつかせたりもします。これらはすべて、お母さんと赤ちゃんの意味のあるコミュニケーションです。お母さんは赤ちゃんに対して、何かの対価を期待して優しくしているわけではありません。無条件に愛情ある、肯定的な刺激を与えているのです。

 

赤ちゃんが大きくなり、物心がついてくるとしつけが始まります。その中では次のような言葉(刺激)を投げかけることもあるでしょう。
「○○ちゃん、今日はいい子だったわね」
「お手伝いしてくれて、うれしいわ」
「勉強がんばったね。えらいわ」
赤ちゃんのときと少し違いますね。「~したので、あなたはいい子」という条件が付き始めます。言うことを聞かせるためには餌で釣るのが簡単という考えもあるかもしれません。
しかしこれだけを与え続けていると、自立心を抑えられ、次第に良いことをするのを嫌がり、逆に怒りの反応を返してくるようになります。

 

否定的な刺激には顔や頭、体を叩いたりするような身体的なものと、「バカ、まぬけ」「あんたなんか大嫌い」「生まれて来なければよかったのに」など、相手の存在、人格そのものを否定するような傷つける言葉があります。これらは心身の障害を引き起こす可能性があります。
また、「あんたのそういうところが嫌なのよ」「勉強しない子は嫌い」「嘘をつく子はいらない」など、ある条件を満たしたときに否定する言い方です。しつけ上の行動修正のために用いられる言葉ですが、これも行き過ぎると良くない結果を招きます。

 

このように、肯定的、否定的なさまざまな刺激を与え合いながらコミュニケーションをしているわけですが、これらの刺激がまったくなくなったとしたらどうでしょうか?まさに、一人ぼっちで生きていくのに等しいことになります。
できることなら肯定的な、愛情あふれる、良い刺激をもらいたいですが、それが得られないとしたら、人は否定的な刺激を求めるようになります。存在を無視されるより、怒られたほうがまだマシだからです。したがって、わざと怒られるような行動をしたり、逆らうようになります。
もしかすると、こういう反応が反抗期を思われる行動の中に潜んでいるかもしれません。

 

子どもの反抗的な行動に、「もう手に負えない」と感じたら、試しに上記の赤ちゃんに接するような、無償の愛情ある刺激を与えてみましょう。もちろんもう赤ちゃんではないので、同じことはできませんが、頭をなでたり、肩をたたいたり、手を握ったりはできると思います。また、おはようやおやすみ、いってらっしゃいやおかえりのあいさつ、「あなたはかけがえのない子よ」などの言葉をかけてみましょう。
ムカつくかもしれませんが、そこはグッとこらえて。よい刺激を与えると、よい反応が返ってきます。

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