行動の裏を読む

お問い合わせ
電話番号

行動の裏を読む

人は自分と自分以外の人(家族、友達、パートナーを含むすべて)の存在的、能力的価値判断を幼児期にしているのですが、基本となるものは根底にあるとしても(人生の脚本)、生活のさまざまな状況の中で、4つある判断パターンを常に移行し続けます。4つの価値判断とは、「自分はOK、相手もOK」、「自分はOK、相手はOKでない」、「自分はOKでない、相手はOK」、「自分はOKでない、相手もOKでない」です。

 

たとえば、私が生徒に「今日の宿題はここからここまで。ちょっと量が多いけどできるよね?」と言います。生徒は「はい、大丈夫です。できると思います」と答えます。このとき生徒は、自分には能力があり、その宿題をやれる自信を感じてます。また、自分の能力を適切に判断して、相応の宿題を出した私を正しいと思っています。生徒は「自分はOK、相手もOK」と判断しています。

生徒が家に帰り、さっそく宿題に取りかかろうとしたとき、お母さんから「ちょっとお使いに行ってきて。ママ、今手が離せないの」と声をかけられます。「せっかく宿題をやろうとしたのに。お使いから帰ってきたら、ご飯まで時間ないじゃん。7時から見たいテレビがあるのに」と心の中でつぶやきます。そして、「今はムリ、宿題やんなきゃ。先生に怒られるから」と答えます。お母さんの事情もわかるし、近くのコンビニに往復10分くらいで行けるとわかっています。また、宿題を今すぐにやらなくても先生は怒らないし、あとでやることもできるはずです。しかし、お使いから逃げたのです。このとき生徒は「自分はOKでない、相手はOK」と判断しています。

宿題を1/4ほど終えて居間に戻ってきたら、小学生の弟が「チョコ、お兄ちゃんの分も食べちゃった。ごめんなさい」。お母さんは「ごめんね、また買ってあげるからね」と言います。生徒は自分でも顔が熱くなるのを感じながら、「なんで人のものを勝手に食べるの?ボク、(弟の名前)のおやつ、黙って取ったことないよね。楽しみにしてたのに!」と叫んでいます。このとき生徒は「自分はOK、相手はOKでない」と判断してます。

そこへ追い打ちをかけるように、お父さんが「週末、仕事が入っちゃって、ドライブ行けなくなったよ」と言います。お母さんは「しかたないわね。また今度行きましょ」と言うのですが、生徒は「先々週に行くって決めて、ずっと楽しみにしていたのに…。もういいよ。ドライブなんか行きたくない!ご飯もいらない!」と2階へ上がっていきました。生徒は「もう誰も信じられない」という気持ちになります。でも、こんなことでむくれてご飯を食べそこなった自分もどうかしていると思います。このとき生徒は「自分はOKでない、相手もOKでない」と判断します。

自分の部屋にむくれて引きこもった生徒ですが、お腹も減っているので、1時間もしないうちに下りてきます。食卓には自分のご飯とおかずがあります。「お腹減った。ご飯食べる」と言い、温めなおしたご飯を食べ始めます。生徒は再び「自分はOKではない、相手はOK」に戻りました。
そして、心の中で「パパだって仕事が忙しいんだ。我慢しよう」と言います。状況をきちんと判断できた自分を感じ、「自分はOK、相手もOK」の判断をします。

 

このように4つの価値判断は状況の変化とともに変わっていきます。
人の気持ちや行動の変化は、コミュニケーションにおいて自分と相手の能力をどう判断するか、ひいては自分や相手の存在的価値をどう考えるかという視点で眺めることができ、意外な行動を目の当りにしても、その背景を読み取ることもできるのです。

お問い合わせ

    お名前 (必須)

    必須項目に記入もれがあります。

    必須項目に記入もれがあります。

    電話番号

    必須項目に記入もれがあります。

    メールアドレス

    必須項目に記入もれがあります。

    ※確認のためもう一度入力してください

    確認用のメールアドレスが一致していません

    学年

    必須項目に記入もれがあります。

    ご要望(任意)

    上記の内容を確認して確認・送信ボタンを押してください。