悩める子どもの葛藤の源流に帰る

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悩める子どもの葛藤の源流に帰る

悩みを抱えている子ども(大人も)は、自分の中のネガティブな思い込みとそれに対抗するポジティブな希望が、同じような力でせめぎ合っている状態といえます。ここでやっかいなのは、ネガティブな思い込みだと気づいて自分を変えようとしても、すぐにまた元のネガティブな思い込みに支配されてしまうということです。つまり、頭で考えて変わろうとしても、簡単に変わることができないのです。
このような葛藤を解決するには、ネガティブな思い込みの原因となった幼児期の体験を再度経験し、そのとき下した決断とは異なる決断をし直すほかありません。

 

このネガティブな思い込みとポジティブな思考の膠着(こうちゃく)状態は、大きく3つに分類されるといわれています。

 

1つめは、親のしつけによるメッセージとそれに対しての抵抗です。たとえば、「全部一生懸命やりなさい。さもなければ、何もしなくていい」というメッセージを受け取った子どもは、親から見捨てられないようにと、そのメッセージに従おうと決断します。親がそのような言葉を使ったか使わなかったかが問題ではなく、言外のメッセージも含めて、子どもがそう受け取ったことが唯一の事実です。ある時点で子どもは「一生懸命がんばるのに疲れた。少しは楽しみたい」と思い、志望校を見直して勉強以外のことにも挑戦しようと考えたとします。ところが、がんばっていたときに親から与えられていたさまざまな称賛や褒美などがなくなるので、再び葛藤に陥ります。

 

2つめは、親の感情にまかせたひと言が子どもを悩ませている状態です。たとえば、なかなか泣き止まない赤ちゃんやまったくいうことをきかない幼児に対して、「ほんとにもう!あんたなんていらない!」というセリフを受け取った子どもは(たとえ言葉がわからなくても、声の大きさ・強さ、表情などで察する能力が備わっています)、「いつか自殺してやる。そうすれば、そんなひどいことをいったことを後悔するだろう」と、程度の差こそあれ、決断します。大人になっても、どこからかそんな声が聞こえるような気がして、抑うつ状態になります。「自分は生きていてはいけないの?」という気持ちとの葛藤が起こるのです。

 

そして3つめは、やはり乳幼児期にある状況にあって、「わたしは無価値な人間なんだ」と「わたしは価値ある人間なんだ」の2つが闘っている状態です。自己心理学では、言葉を覚える以前の段階で、自己愛的な承認欲求を親が受け入れるか拒絶するかによって、自己肯定的か自己否定的なイメージを作り上げるといわれています。つまり、親が自分を大切にしてくれるかどうかの判断をし、子ども自身がそれを決断します。だれでも自分の肯定的なイメージと否定的イメージを持っているものですが、否定的なイメージが勝っていると、成長しても「わたしは能力がない。不器用だ。ダメな人間だ」という感情にとらわれます。

 

このように心に葛藤を抱えている場合は、イメージ(空想)の中でその決断をした幼児期に退行し、今の自分の能力を使って、もう一度決断し直すことが必要です。1つめと2つめは、イメージの中で親と対決します。「あなたはそういうけど、私は違う。私は私の思い通りに生きていきたい」と。
3つめについては、幼児期の自分自身と向き合います。自分自身との対話の中で、「いつもわたしは~」という表現が、「あなたは~」という表現に変わっていくでしょう。

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