自分の心の状態を知る

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自分の心の状態を知る

今回は「心の状態」についてのお話です。感情の種類や状態ではなく、自分や相手の心がどのような状態にあるのかが分かれば、うまいコミュニケーションができますよね。

 

心理学では心を「自我」といいます。ざっくりいうと、自分として認識している意識、自己意識です。赤ちゃんが成長する過程で、「自我に目覚める」ということがありますよね。自分を自分として認識する瞬間です。あなたがいろいろと、ああだ、こうだと考えているのが自我です。

 

心理学にもいろいろと”宗派”がありますが、その中の一つ、交流分析では自我には3つの状態があると言われています。それは、自分を育ててくれた親のような考え方をする「親」、理性的・論理的に考えようとする「成人」、子どものころに経験した感情や考え方・行動を引き継いでいる「子ども」の3つです。人の意識は常にこの3つのうちのどれかの状態にいて、外的・内的刺激により、3つの状態が流動化します。また、「親」には、義務や道徳・教育などを担当する「批判的な親」と、まるで優しい母親のように守ろうとする「保護的な親」があります。「子ども」にも、自由奔放に振舞う「自由な子ども」と、素直で従順だけれども場合によっては反抗する「順応する子ども」があります。したがって、5つの状態があることになります。

 

たとえば、お子さんが誰かとケンカをして、ケガをして帰って来たとします。お母さんはいずれかの自我状態にいて、以下のように反応します。

◆批判的な親
ケンカなんかしちゃだめじゃない!
学校でケンカをさせるなんて、先生は何をしてたの?

◆補語的な親
かわいそうに。痛いよね。
こんなになって、病院行かなきゃ。

◆成人
ケガの程度はどうかしら?病院には行かなくても大丈夫みたいね。
いつ、誰とケンカしたの?なにが原因だったの?

◆自由な子ども
まあ大変。どうしよう。困ったわ。
大事なうちの子にケガさせるなんて。あったまに来た。

◆順応した子ども
もめごとを起こしたくないから、クレームは言わないでおこう。
もう!私が仕返ししてやるわ。

 

どれか1つの状態になるかもしれませんし、複数が混じった状態になるかもしれません。さらに時間の経過とともに、他の状態に移行していくかもしれません。

 

突発的に何か大変なことやとても嫌なことが起こったときは、成人以外の状態にいることが多いです。そのときどの自我状態に入るのかは、あなた自身が意識的に決めるのではなく、あなたが幼児だったころに親から受け取った言語・非言語のメッセージと、その時代にあなた自身が決断した”人生の生き方”によります。つまり、無意識に特定の自我状態に入ってしまうわけです。

 

状況を収拾するには、成人の自我状態に入り、冷静に分析し対応策を考えることが必要です。しかし、意識的な自我状態の移行はきわめて難しいのです。というのは、他人から見て、どんなにおかしな言動をしていたとしても、その自我状態にいる自分の判断が完全に正しい、今の自分が本当の自分だと思うからです。
したがって、あえて冷静沈着な思考ができる成人の自我状態に入る必要は感じないわけです。

 

しかしまったく手がないわけではありません。多少の訓練が必要ですが、混乱しているなと思ったときは、少し時間を作って深呼吸し、自分自身をあたかも他人が見ているように観察してみてください。この動機により、成人の状態に入ることができますし、本当に正しい判断ができるようになるはずです。

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