繰り返される不安感を克服する
ついやってしまうけれど、本当はやめたい行動パターンというのは、誰にでもありますね。「こういうふうになったらいいな」という未来のイメージを、内的な五感(想像した五感)で感じるようにすると、行動パターンを変えることができます。アスリートが、記録達成の瞬間やゴールを決める瞬間をイメージして、日々の練習に励むのと同じです。
行動だけではなく、感情についても同じことが言えます。なにかのタイミングで、むくむくと湧いて出てくる嫌な感情。不安であったり、自己嫌悪感であったり、恐れであったり、悲しみであったり。他人からなにかを言われて、受動的にそのような感情に心を占有されてしまうことがありますが、自分一人でいるときでも、いつもの嫌な感情に襲われることがあります。そんなときも、なにかがトリガー(きっかけ)になっているのです。
嫌な感情が出てきたときのことを思い出してみてください。一人で思い出すときにも、質問は効果的です。自分自身に質問をするのです。もちろん、自分のことですから、よく分かっていると思っていますが、自問自答の形式をとってみましょう。
「どんな気持ちなの?」
「不安になる」
「なにが不安なの?」
「仕事(勉強)のこと」
「もっと具体的に」
「うまくできないんじゃないかって」
「いつもなの?」
「いつもじゃないけど、週に1回くらい」
「不安になってるって、どうしてわかるの?」
「心臓がドキドキするし、頭がぽ~ってなって…『どうしよう』って心の中で言ってる」
「他には?」
「『お前はダメだ』という声がするような…」
「なにか感じる?」
「全身が重くなって、横になりたくなる」
多くの場合、嫌な感情が出てくるときは、ネガティブな内部対話(自分自身との対話)が起きています。それによって、辛い感覚も呼び起こされます。
このネガティブな内部対話を断ち切ることがポイントです。しかし、「いや、そんなことはない。私は大丈夫」と言ってみても、ネガティブな内部対話はなかなかしぶとくて、勝てないかもしれません。
ポジティブな内部対話を無理やり持ってくるより、あまり使っていない五感の要素を取り入れたほうが、ずっと効果的です。
「大丈夫」という代わりに、仕事や勉強でうまくいっている姿をイメージします。さらに、その結果を大好きな人に褒められ、「よくやったね」「がんばったね」「さすがだね」などと言われているところを想像します。肩を叩かれたり、頭をなぜられたりするところも。
そうすることで、だんだんと体が重くなるという感覚も減ってくるはずです。
イメージは自由です。そしてなによりも、タダです!