体は口ほどにものを言う?
たとえ親子間のコミュニケーションにおいても、言葉だけでは伝わらないことがあります。あるいは、言葉にできない思いもあります。相手の思いを受け取れないと、大きなコミュニケーション・ギャップを生んでしまいます。
そんなとき、どうすればいいでしょうか?
気の利いた質問で相手の言いたいことを引き出すという手があります。でもその前に、相手の状態を見分けることができたらどうでしょう?相手の状態によって、こちらの話し方や対応のしかたを変えることができます。そして、より上質なコミュニケーションを築き上げることができるかもしれません。
人は表情や身振り、しぐさなどから、相手がうれしい、悲しい、怒っている、困っている、満足している、不安を感じているといった、心の状態を見分けることができます。「目は口ほどにものを言う」と言われますが、目だけではありません。全身から相手の状態が判るのです。
どういうところで相手の状態を見分けるのでしょう。その手掛かりはいろんなところにあります。
◆見てわかるもの
体の向き・姿勢、手の動かしかた、腕組み、足の動き、足組み、顔の向き、表情、目の動き、口の形、顔色、うなずき
◆聞いてわかるもの
声の大きさや高さ、話すスピード、口数、息づかい
◆感じてわかるもの
体温、匂い
手がかりは人によって、やり方や度合いは違います。大声で笑う人もいれば、くすっと声に出さずに笑う人もいます。楽しさの度合いは同じかもしれませんよね。
そして、会話の中で相手の身振りやしぐさは常に変化しています。
最初は緊張して下のほうを向いて手を組んでいた人が、関心のある話題になったときに声が大きくなって、身振り手振りが加わったりします。そしてしばらくすると今度は、目線が壁や窓の外に向かい腕組みを始めました。興味が薄れ、退屈に感じているかもしれません。
最初のうちは細かいところまで観察できないかもしれません。でも、相手に注意を払って接しているうちに、だんだんと見分けるスキルが上がっていきますよ。