物の見かたを変えてモチベーションアップ
思い込みは質問によって、それは事実ではないんだという気づきを促すことができます。自分の中に思い込みが作られたとき、いくつかの情報が抜け落ちたり、事実を誤って受け取っている可能性があり、そこを気づかせることで思い込みが解消できます。
しかし、マイナスなインパクトを与える「事実」がある場合はそうもいきません。
「英語のテストが50点でした。志望校を変えたほうがいいでしょうか?」
志望校を狙うには、少なくとも70点は取りたかったのですが、それよりもかなり低い点数を取ってしまったのです。何をどう質問しても、50点は50点です。志望校のレベルに達していないのも確かです。この事実は変えることはできません。
私はこの生徒に次のように答えます。
「そうか、50点だったか。点数としては厳しいね。でも、自分のできない問題が何か、分かったんじゃないの?そこをしっかり勉強すれば、100点取れるんじゃない?」
「たしかにそうですね。やってみます!」
「がんばれ!」
よく言われるように、物事の見かたは一つではありません。違った見かたがいくつもあります。別の見かたをすることで、物事の受け止めかたが変わります。事実は変えられませんが、それをどのように受け止めるかは本人次第です。しかし、本人はネガティブな感情に押しつぶされそうになっていて、とても別の見かたなどできないかもしれません。そんなときこそ、気の利いた言葉で切り替えをサポートしましょう。
お子さんがこんなことを言ってきたらどうでしょう?
「わたし、学校で自分の意見を言えないの」
自分が意見を言ったときに悪い展開を予想して、言いたくても黙ってしまうことが多いようです。「気にしないで言っちゃえば?」と言われても、そんな気にはなれません。
そこで次のように伝えてはいかがでしょう。
「よく考えていて、協調性があるってことじゃない?けんかや争いごとの仲裁に向いてるね」
欠点だと思っていたことを、逆に生かせる場面が見つかれば励みになります。まずはネガティブな感情を和らげ、欠点は少しずつ直せばいいのです。