自分の中のプログラム
人はいろいろな行動パターン、考え方のパターンを持っています。通常は状況に応じて、それらのパターンを使い分けています。たとえば、仕事では時間に厳しいけれども、自宅では時間を気にせずのんびりと過ごすという人がいます。また、仕事や学校には遅刻ギリギリでやってくる人が、お出かけする休日の朝は誰よりも早く起きるという人もいます。一方で、学校のテストで悪い点数を取っても楽観的な子が、部活ではうまくできないことに悲観的になったりします。
このように、状況によっては正反対の行動を取る人がいるように、人の行動・思考パターンは実に複雑です。それを”性格”の二文字でおさめてしまうのは、あまりに乱暴ではないでしょうか。身もふたもありません。
行動パターン、思考パターンというのですから、同じようなことを繰り返します。それはまるでプログラムされたような動きです。ある条件がそろうと、それに対応する行動や思考のパターンを実行するのです。
いつ、どこで、そのようなパターンを身につけたのか、おそらく誰もはっきりとは覚えていないでしょう。しかし、それらを身につけた原因、理由は必ずあります。覚えていないだけです。
気に入っている行動パターンや思考パターンであれば、それを楽しむことができます。いつも通りうまく物事が進み、満足感を味わえるでしょう。
しかし、「どうしていつもこうなるんだろう?」というような、後味の悪いパターンは繰り返したくないですよね。不思議なことに、人は後味が悪いけれど、決まって同じことをしてしまう、考えてしまう、感じてしまうというパターンも持ち続けるものなのです。心当たりはありませんか?「またやってしまった」というあの後悔の感覚。「あの人と会うといつも…」というやり切れない思い。
心地の良いパターンも、気持ちの悪いパターンも、それらはすべてあなたの中に”プログラム”されているのです。そう、”プログラム”という言葉がぴったりです。いつも同じ動きをします。多少の違いはプログラムの複雑さによるもので、もとは一本のプログラムなのです。
プログラムであれば、書き換えることが可能です。自分で作ったプログラムですから、自分で書き換えられるはずです。
学校の先生から「お前は英語ができない」と言われて、「あぁ、ボクは英語が苦手だ。勉強してもできないよ」と思っていたのを、「ならば、英語ができるようになればOKということか。よし、やるぞ!」と、考え方、感じ方のパターン(プログラム)を変えることができれば、もっと前向きに、楽しく生きることができます。
悲観的、否定的に考えているのは自分自身です。自分自身でそれを変える必要があり、そうすると状況は一変するのです。
”プログラム”を書き換えるためには、いくつかの方法論とテクニックがあります。それらを身につけて、実践することが最初の一歩になります。