そんなんじゃ友だちなくすよ
あなたの周りに、いつもネガティブなことばかり言う人はいませんか?大人か子どものどちらに多いということではなく、まんべんなく分布しているような気がします。
うちに通っている生徒の中にも、そういう傾向のある子はいます。「○○はできない」というように、単に否定的だけではなく、「○○はダメだ」などと批判的であったりします。こういう傾向が長く続いている人は、周りとのコミュニケーションがうまく築けず、孤立してしまうことも多いです。「そういうことばかり言っていると、友だちが増えないよ。」と言っても、「友だちなんていらない。」となります。それに反論すると、さらに否定的な言葉が出てきてしまうので、どうもうまくいきません。すばらしい能力を持っていても、人とのコミュニケーションが築けなくては、社会の中で活躍する機会が限られてしまいます。
前回、あとから後悔してしまう行動にも、”自分にとって良いこと”を得ようとする意図があるというお話をしました。いつも否定的なことばかり言う人にも、そのような”自分にとって良いこと”を期待する意図があるのです。良いことが得られると思っているので、態度を改める気などありません。
では、どんな”良いこと”を期待しているのでしょうか?
たとえば、人の意見を否定することで、自分のほうが優れていると思われたいということがあります。「人の意見ばかり聞いているのはバカだ。オレは自分の意見を持っている。」と思っているかもしれません。人から承認を得たいというのが根本にあるようです。
したがって、自分の意見が否定されると承認が得られないので、さらに批判的になってしまいます。「そういう態度ではいけないよ。」と言われると、さらに反発したくなるのです。
このような人に対しては、相手のペースに乗ってはいけません。たとえ「その批判は違うな。」と思ったとしても、それを言ってしまえば、批判のラリーは永遠に続きます。
相手に反論するのではなく、「そうなんだ。そういうこともあるよね。」と、相手の言葉を一旦受け止め、相手を承認することが大事です。そのうえで、「じゃあ、○○くんならどうしたらいいと思っているか教えてくれるかな。」と言います。自分の意見を受け止めてくれたので、そこからは批判的な言葉は少なくなり、逆に肯定的なアイディアがたくさん出てくるということになります。
否定的・批判的な人であっても、言葉や態度の裏にある、”相手にとって良いこと”に気づくことで、相手から信用・信頼され、すばらしいコミュニケーションを築くことができるようになるのです。