場所が変わると見かたも変わる
前回からの続きです。
相手の見かた経験するワークを行います。
椅子を2つ用意して、向かい合わせに置きます。1つはあなたが座る椅子。もう1つは相手の立場を感じるための椅子です。
まず、あなたが座る椅子に腰かけます。そして向かいにあるもう1つの椅子に、意思疎通がうまくいかずに悩んでいる相手が座っているところを想像してください。
相手が座っているのをイメージできたら、あなたが一番言いたいことを言ってみてください。普段から言っていることでもいいですし、なかなか言えなかったことでも構いません。
一通り言い終わったら、2つの椅子が両方見える位置に移動してください。2つの椅子の間の、少し下がったところがいいかもしれません。そこは第三者の位置です。2~3回深呼吸をしましょう。2人が椅子に座っているところを想像します。
少しの間観察したら、今度は相手の椅子に座ります。そこにはすでに相手が座っていて、あなたは相手の中に乗り移るような気持ちでその椅子に座ります。相手は、先ほどあなた自身が言ったことをすでに聞いているので、相手になり切り、向かいに座っているあなたに対して言いたいことを言います。
言い終わったら立ち上がり、2つの椅子の間の第三者の位置に立ちます。また2~3回深呼吸して、2人を観察します。ここで第三者として感じたことを言ってみましょう。誰の同意も反論もありません。あなたが思ったことを口にすればいいのです。
そして再びあなたの椅子に座ります。相手に対する気持ちや思いがどのように変化したかを確認してください。これから何か変えてみようと思ったことがあるはずです。それを口に出してみましょう。
「どうして(相手は)分かってくれないんだろう」と思っていたときは、相手の考え方や思いに気づくことができませんでしたが、あえて相手の立場で自分を見てみると、「こうしたらもっとよくなる」という考えが浮かんできます。相手が変わるのを待つより、自分が変わるほうが問題の解決が早いはずです。そして、あなたが変われば、相手も変わります。