わたしの見かた、あなたの見かた
「入試までもうすぐなんだから、もっとちゃんと勉強しなさい!」
「やってるよ。うるさいな!」
この時期よくある、お母さんと息子の会話です。
お母さんは息子を見ていると、とてものんびりしているように見えるそうです。朝は9時過ぎに起きてきて、午前中はダラダラと過ごし、お昼ごはんを食べたあとは自分の部屋に行くので、勉強しているかと思えば昼寝をしているそうです。塾から帰ってきたら腹が減ったと夕食を食べ、テレビを見て、ようやく9時頃に自分の部屋に行くのですが、それからは何をしているのか分からないとのことです。
う~ん、確かに勉強してないような気がします。
息子の言い分です。
塾で毎日2時間勉強し、お腹ペコペコで帰ってお風呂に入って、ご飯を食べたらちょっと休憩。9時頃から夜中の1時まで勉強して、ベッドに入ってから30分くらい読書をして、そのまま眠ってしまうそうです。翌日は塾に行く前の1時間くらいは暗記科目の勉強をしているとのこと。
ああ、勉強してないわけではないですね。
では、なぜ前述のような会話になってしまうのでしょう?
前回お話したように、人はそれぞれ自分オリジナルの見かた・視点を通して物事を認識します。同じものを見たとしても、その捉え方は人によって異なるということを、あなたも経験されたことがあるでしょう。「なんでそんなに違うの?」と思いませんでしたか?そして、「それは間違っている。」などと感じてしまいます。
感じ方にどちらが正しい、間違っているということはありません。ものの見かたが違うだけなのです。
もし、自分以外の視点を持てたとしたらどうでしょう?
自分とうまくいっていない相手の視点。どうしてそんなことを言うのか分かるかもしれません。
もう一つは第三者の視点です。客観的・中立的に2人を見ることができたら、別な気づきがあるかもしれません。
どの視点を積極的に持ちなさいということではありません。しかし、状況に応じて3つの視点を使い分けることができれば、もっとすばらしいコミュニケーションが築けることでしょう。
次回は、この3つの視点を使い分けられるようになるためのプラクティスをご紹介します。