信頼感はしぐさをシンクロさせる
会話などのコミュニケーションにおいて、相手に安心感を与えることができれば、信頼感も高まります。そうなると、こちらの言いたいことをスムーズに受け止めてくれたり、要望も引き受けてくれやすくなります。安心感を与えるためのテクニックとして、前回は「バックトラック」という手法をご紹介しました。相手の話した言葉を繰り返す。たったそれだけでも、相手はあなたに「ちゃんと聞いてくれている」という安心感を抱きます。
コミュニケーションは言葉だけでやり取りしているわけではありません。声の大きさ・高低・速さや表情など、言葉以外でも相手に何かを伝えています。「こんにちは。」とあいさつするとき、笑顔で言うのと険しい顔をして低い声で言うのとでは、相手の受ける印象が違いますよね。
表情の他にも動作、しぐさは重要な要素です。相手と打ち解けて、心が通じ合えているとき、人は自然と同じようなしぐさをするものです。仲の良いカップルが会話をしているところを観察してみてください。二人とも同じような動作をしているはずです。一方が座り直すと、もう一人も座り直す。一方が飲み物を飲むと、もう一人も同じように飲む。無意識において、自然と同じ動作をしようとしているのです。それが一体感につながるからです。
お子さんと大事な相談をされるようなとき、バックトラックに加えて、相手の動作をマネしてみてください。あくまでも自然な感じで。やりすぎると、相手はからかわれていると思うかもしれません。モノマネをするかのようにそっくりな動作をするのではなく、だいたいできていればOKです。
動作・しぐさ以外にも、言葉づかいや声の質、感情表現も合わせるとさらに効果が上がります。
相手が安心したように見えたなら、そこから大事な話をしていきましょう。