どのような人間になりたい?

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どのような人間になりたい?

前回は、「勉強は人生を生きるために必要なもの」「知識や技能は人生を豊かにする」という信念や価値観を持てば、おのずと自分の能力・学力に対して意識が向かい、自立的な学習が進むというお話でした。

 

信念や価値観というものは、そう簡単に作られるものではありませんし、簡単に手放すことができるものでもありません。なぜならば、それは生きていくための”ガイドライン”だからです。それに従っていれば、安全に生きていけると考えるのです。なかには役に立たない信念もあり、たびたび思い込みと呼ばれますが、間違った信念は、逆に人生を危うくする可能性があります。それに早く気づくことが必要ですが、一人ではなかなか気づけないものです。周りから見て、あきらかに間違った信念を持っていると分かる場合は、気づきをサポートしてあげたいです。頭ごなしに否定するのではなく、どうしてそのような思い込みを持つようになったのかをよく聞き、思い込みに反する行動でもうまく乗り切った経験を思い出させてあげます。そうすると、思い込みに疑問符がつき、考え直すきっかけになるでしょう。

 

さて、信念や価値観が生まれてくる一つのソースとなるのは、「私は何者?」「私は何をする人?」という役割や使命です。この人生における役割や使命の大元は、実は生まれて間もなく、親によって作られます。最初は漠然とした、あいまいなものですが、経験を重ねるに従い、その形がだんだんとはっきりしてきます。経験自体も、その役割や使命を強化するために、自ら選択していると言えます。
自分の役割や使命を意識し出すのは、だいたい小学校高学年から中学生くらいです。この時期は、知的好奇心、有能さへの欲求に続き、人の役に立ちたい、人を助けたいという、向社会的欲求が生まれます。さらに、そのためにはどのような人間になりたいかという、自己実現欲求が発現します。どんな職業に就きたいかと具体的に考えるのは、その現れです。

このような精神的発達は子どもに限ったことではなく、成人まで続きますが、成人を長く続けている人の中には、いまだ発達途中の人もいるようです。それはもはや個性というものであって、非難するようなものではありません。

 

子どもの自己実現欲求、すなわち、「こんな人間として生きていきたい」という意識を引き出すことで、たとえば「自分にとって勉強は必要なもの」という信念・価値観が生まれます。その信念・価値観はいずれ、自ら進んで学習するという行動に子ども自身を導くのです。

 

家庭においては、子どもが生まれ、母親・父親という役割を得るとき、実際にはどのような母親・父親であるかが役割や使命になっていきます。子どもに対して、どのようなことを担っていくのかをきちんと考えたいものです。単に”優しい母親””物わかりの良い父親”は、子どもの要求をできる限り聞いてあげるだけの役割になってはいないでしょうか?子どもの何に対して責任を負っているのかを、明確に自覚することが重要ではないかと考えます。

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