無意識の中のやる気を呼び起こせ!
前回は、相手に対してこちら側の要望を前提とした間接的トークをすると、相手は意外と抵抗なく受け入れるというお話をしました。今回はやはり間接的な表現で、こちら側の意図した方向に誘導する話し方をお話します。
「さっさと勉強しなさい!」
このようにダイレクトに命令しても、いつものことと、真剣に受け取ってはくれません。
「分かったよ。うるさいな。今するところだから!」
もしかしたら、本当に今から勉強しようと思っていたかもしれませんが、迷っているときに命令されると、逆にやる気がなくなってしまうこともあります。
そこで、命令は命令なのですが、間接的な表現を使うと、直接的な命令よりも抵抗が起きにくくなります。
「すぐに勉強始めるのって無理?」
質問ではありますが、すぐに勉強しなさいという命令が含まれていて、すぐにやろうかどうかを考えることになります。
「休みの日はどのくらい勉強したらいいのか、お母さんは分からないわ。」
何時間勉強するつもり?と質問すると抵抗が起きてきますが、このようにいう言うと自然と勉強時間のことを考えてしまいます。
「高校に入ったときのことなんて、今は考えなくてもいいのよ。」
きつい言い方にも聞こえますが、思わず、入学してからの楽しい高校生活を想像してしまいます。そして、受験をがんばろうと思います。
「入試まであと4週間だっけ?」
あえて大きめの数字を出して質問します。逆に、何日ではなく何週間と言うほうが数字が小さくなります。質問に対してYes/Noではなく、あとどのくらいあるかを自分で数えることになり、危機感を呼び込みます。
「お母さん、あなたが勉強しているのを見ると『お母さんもがんばるぞ!』という気持ちになるの。」
『お母さんもがんばるぞ!』のところはガッツポーズ付きで、感情を込めて言います。無意識で、自分もがんばらないとと思ってしまいます。
「一生懸命やれば何でもできると分かるわ。」
あいまいな言い方です。一生懸命やれば何でもできるのか、何でもできることが分かるのか。ちょっと混乱して、最後は自分に都合のいいように受け取ります。
「あの高校はあなたの親友になると思うわ。」
変なことを言うなと思うでしょうが、何のことだろうと考えてしまいます。そして志望校をあらためて強く意識するでしょう。
のんびりしているようで、実は緊張感も持っているはずです。ストレートな言い方でその緊張感を刺激するよりも、少し横から突っつく言い方で、無意識の中のやる気を呼び起こしてみませんか?