省略された言葉に、解決のカギがある

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省略された言葉に、解決のカギがある

「子どもとはコミュニケーションをとっています」

では、そのコミュニケーションはどんなものですか?とたずねると、答えに詰まることが多いのではないでしょうか。
コミュニケーションにもいろいろな形態、性質、目的、効果があります。暇つぶしのための雑談、相手にやってほしいことの指示や命令、情報収集、気持ちの共感・共有、愛情行動など、実に多種多様です。
ここで大事なのは、必ず目的があるということです。目的のないコミュニケーションなんて存在しません。「目的なんてないわ」という人は、無意識下にある目的に気づいていないだけなのです。

コミュニケーションに目的があるのなら、うまくそれを達成したいですよね。

 

コミュニケーションにはいつも相手がいます。つまり、コミュニケーションは相手と一緒に築くものです。こうしてこれを読んでいるときは、当たり前のように思われるかもしれません。しかし、実際の会話では相手のことをどのくらい意識しているでしょうか?自分の言いたいことだけを言って、自分に都合の悪いことは聞き流してたりしていませんか?そんなとき、相手はどんな反応をしているでしょうか?あなたが反対の立場だったら?

コミュニケーションの意義や重要性は、相手がどのように反応したかにあるのです。あなたの言葉に対して、あなたが期待したように反応してくれれば、コミュニケーションは成功したと言えます。
このことをバロメーターとして、コミュニケーションに臨むことができれば、きっと相手からの信頼感が増すはずです。

 

さて、相手が困っているときは、下手なアドバイスをするよりも、質問をすることで、相手の気づきを促したほうがはるかに効果的だということを前回書きました。人は誰でも、自分の話を聞いてもらいたいものなのです。そうでしょう?自分の話も聞かずに、一方的に話してくる相手に対しては、共感どころか、嫌悪感を抱くことさえありますよね。

 

相手が問題を抱えているようなときはまず、相手がその具体的なイメージを描きやすいように、具体的なことを質問します。相手の言葉をよく聞きます。すると、かなりの割合で内容が抜け落ちていることに気づくと思います。いくつかの情報が省略されているのです。
日本語は難しい言語です。コンテクスト(背景、文脈)が大きな前提となっていて、そこに気づかないと話の意図がつかめません。いわゆる「空気が読めない」というものその一つです。その結果、主語以外にも目的語が省略されたり、修飾語が省略されたりします。
「あー困った」
このように言う人がいます。誰が何をどのくらい困っているのか、まったく分かりません。このケースですと、ふつうは「何が?」とたずねます。すると、一つひとつ話してくれるでしょう。

ここにポイントがあります。本人は大変さのあまり、誰が何をどのくらい困ったのかを表現していません。そうすると、「困った」ということだけがどんどん増幅され、さらに大変なこととして認識するようになります。「誰が、何に困っているの?」と聞くことで、問題の具体化をしていきます。「いつ」「どこで」などの情報も拾い上げます。すると、相手の中で持っている情報や思考がまとめられていきます。
そうです。質問することで、相手自身が考えの整理ができるようになるのです。

「うちの子は理解するのが遅いんです」というお母さん。誰と比べて遅いと感じているのでしょうか。世界は広いです。いくら勉強ができても、それよりもできる子はいるものです。具体的な比較対象があれば別ですが、漠然と比べていてはキリがありません。それよりも、去年のわが子と比べてみてはいかがでしょう。成長を感じるはずです。

「このままでは大変なことになる!」と言う場合、まず「このまま」とはどのような状態かを具体化します。定量的に、時間や量、頻度など、数値化できるもので表してみると分かりやすいです。そして、「大変なこと」とはどのようなことなのか。それはいつのことなのか。これもできる限り数値化してみます。
そうすると、意外にもそんなにひっ迫しているわけではなく、対処の方法がきちんとあることに気づきます。

 

言葉が省略されるとき、心の奥にある、本当の事実が覆い隠されているのです。大量にある経験・体験した事実から、もっとも”重要そうな”ことだけを抽出して意識化するのは、人間が生きていくために身につけた技ではありますが、問題がこじれているときには、覆い隠された部分にも目を向けることが必要です。それが解決を促進するのです。

なにはともあれ、「変だな?」と思ったら質問です。目的を持った質問をしましょう。質問には不思議な力があります。

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