わたしは価値がある?

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わたしは価値がある?

わが子に対して、「もっとこうしてほしい」とか、「こういうことはしてほしくない」という思いは誰にでもあるものです。しかし、それを実現するのはとても難しいですよね。お母さんやお父さんの願うようには簡単には変わりません。なぜ難しいかといえば、それはその子の”人生の脚本”に基づいての言動だからです。

 

自分の子どもの行動を見ていると、良い振る舞いをしていることもあれば、あまり褒められない振る舞いをしていることもあるはずです。それらの行動の元になっているのが、幼児期に決断し、作成した人生の脚本、つまり「自分はどのように生きていくか」の信念(思い込み)であることが多いとされています。ほとんどの心理学では、意識や行動のベースとなっているのは、乳幼児期の環境・経験によるとしています。何も知らない、かわいらしい赤ちゃんが自分の人生について、とんでもないほど大きな決断をしているというのは、まさに驚異です。

 

乳幼児の決断は経験や知識ではなく、感情によってなされます。直観であるとも言えます。生まれたばかりの赤ちゃんに知識はありません。しかし、感情や直感は生まれながら備わっています。赤ちゃんにとっては、世話をしてくれる親や祖父母、兄弟姉妹が世界のすべてです。彼らに依存しなければ生きていけないので、そのために自分はどのように振る舞えばよいかという仮説を、直感を使って立てます。以降、その仮説を証明すべく、都合のよい情報のみを取得し、都合の悪い事実は歪曲して取り込むことになります。

 

その決断をする前兆は授乳期にあります。自分と(多くの場合)母親との関係性から、それぞれの存在の価値判断をし始めます。
たとえば、赤ちゃんがお腹が空いて、お乳が飲みたいと泣きます。母親は優しく抱き上げ、お話をしながらお乳を十分に与えます。赤ちゃんは幸福感に満たされて、自分は生きる価値のある存在であり、母親は自分にとって必要な、大切な存在と判断します。つまり、そんな自分は肯定的な存在(OKである)であり、母親もまた肯定的な存在であると認識します。

ところが、お乳を十分に与える前に中断してしまうと、赤ちゃんは満足を得ることができません。そのようなことがたびたび起こると、自分はOKだけれど、母親は以前に比べてきちんとできないから、OKではないと判断するようになります。

あるとき、小腹が空いてきたので泣き始めます。ところが母親はまだ時間が早いのでお乳をあげません。さんざん泣いた挙句に、文句を言われながらお乳を少しもらえました。「自分の伝えたいことが伝えられない」と感じると、自分は力のないOKではない存在で、母親は自分をコントロールするOKな存在だと認識します。

ある赤ちゃんはお腹がペコペコになり、力の限り泣いて母親にお乳をねだります。しかし母親は電話に夢中で、こちらを見ようともしません。そして「うるさい!」と言って別の部屋に行ってしまいました。赤ちゃんは「自分は何もできない。母親も何もしてくれない」と思い、自分はOKではない、相手もOKではないと認識するようになります。

 

一度持った認識は簡単には変わりません。そして、この認識に基づいて人生の脚本を作り始めることになります。したがって、その子の問題ある行動を変えようとするとき、その子の人生の脚本を見ることが必要ですが、その子自身と周りの人に対する価値判断(OKであるか、OKでないか)をどのようにしているかを調べてみなければなりません。
心理療法の一つである再決断療法では、ここにスポットライトを当てます。

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