勉強のしかたが分からない
コミュニケーションとは何かと聞かれれば、誰かとの情報(言葉や表情など)や感情のやり取りを思い浮かべます。その”誰か”の中には他人だけではなく、自分自身も含まれているといわれると驚く人もいるのではないでしょうか。
コミュニケーションの手段に会話がありますが、他人とかわす会話以外に、自分自身との会話もあります。独り言はある意味、自分自身に語りかけているのです。何かを考えているときも、常に自分との対話でディスカッションが進んでいます。自分自身との相互の会話を”内部対話”と呼ぶことにします。
他人との対話であなたの意志や相手の考えを共有することができ、そこから関係性が熟成していきます。同じように、内部対話によって自分を変えたり、自分の成長につながるとしたら、それは大いに活用したいですよね。
逆に言うと、なりたい自分に変われなかったり、目標をなかなか実現できなかったり、人付き合いで悩んでいたりするときは、自分との対話、内部対話がうまくできていないからなのです。
「勉強のしかたが分からない」と言う生徒がときどきいます。教科書やワークを持っていないわけではありません。ちゃんとあります。学校の授業もきちんと受けています。
簡単なことです。教科書を読めばいいのです。ワークの問題を解けばいいのです。授業のノートをおさらいすればいいのです。勉強のしかたが分からないのではなく、勉強をしようとする意識がないのです。
成績が良くないので、勉強しなければならないという気持ちはあります。しかし、できない。
実はそこには、”勉強をしようと思う”自分と、”勉強をやりたくない”自分がいるのです。はっきりとは意識できていないけれども、もう一人の自分が勉強を”妨害”しているのです。
”二人”の対立を解消するには、内部対話が必要です。もう一人の自分の声を聞くことで、良い方向に進むことができるようになります。
最初のほうにも書きましたが、内部対話は誰でも日常的に行っていることです。そのコミュニケーションをもう少し上手にできるようになれば、悩みが解決し、目標や夢が実現できるようになるはずです。